子猫を迎えた家族にとって1日をより楽しくする猫のおもちゃですが、種類の多いおもちゃから、どれを選ぶべきか悩む飼い主さんも多いのではないでしょうか。
猫は動くものにとても敏感。特に、慣れない環境でインタラクティブに一緒に過ごす時間は、子猫の不安を取り除き、飼い主さんとの絆も深めます。
猫は気まぐれ。猫おもちゃに対しても飽きっぽい性格であることををふまえ、購入する前に、猫おもちゃでも飽きない特長や猫におもちゃを与えて飽きない遊び方についてご紹介します。
1. 猫が喜ぶおもちゃの要素とは
野生時代の猫は、神経を研ぎ澄まし、獲物を狙うハンターだったと言われますが、地域猫や家猫になった時点、つまり野生の猫でなくなった時点で、ハンターの素質はいらなくなってしまいました。
餌は労せずもらえるようになり、狩りが不要になった猫にとって、飼い主さんとじゃれ合い遊ぶことは、ハンティングのシミュレーション。猫が喜ぶおもちゃとは、狩猟本能を目覚めさせるハンティング要素が詰まったおもちゃといえます。
どのような要素が狩猟本能を目覚めさせるのでしょうか。具体的には2つあります。
獲物を追いかける:
ボール、猫じゃらし(レーザーも含む)、リモコンやゼンマイ、ばねで自走するおもちゃなど、まさに獲物を追いかけるシミュレーション。本気モード全開になります。
獲物に噛みつく:
ひも付きの猫じゃらし、抱き枕(蹴りぐるみ)は獲物をゲットした後の格闘シミュレーションです。飼い主さんが獲物を動かせば、猫ちゃんも力が入ります。
2. 飼い主目線の子猫のおもちゃ 選び方
子猫にとって見るものすべてが遊べる遊具と考え、触感を手で確かめ、噛んで硬さや味を確認します。何も知らない子猫に与えるおもちゃだからこそ飼い主さんが厳選すべきものなのです。最も重視すべきポイントは安全性です。
・サイズ
猫の種類や月齢によって、サイズもまちまちですが、生まれてから1歳ぐらいまではどんどん成長する子猫時代。
子猫は、体格も小さく、与えるおもちゃが大きすぎると扱えません。
とはいえ、小さすぎるおもちゃでは、飲み込む危険がありますので要注意です。
ついでにお話しすると、猫のおもちゃではありませんが、どこの家庭にでもある輪ゴムや紐に(だけではありませんが)特に注意!
猫が触れないようにしておきましょう。マスクの紐は特に注意です!
・形状
セルフプレイをメインにしたものはシンプルで壊れにくいものを選びましょう。プラスチックの場合はとがった部分のないものを選びます。
パーツがつながった猫おもちゃは、必ず飼い主さんと一緒に遊ぶようにします。
・原材料
素材についてもしっかり確認!
合板でできた木のおもちゃには、接着剤としてホルムアルデヒドが含まれている可能性があります。
おもちゃを購入する際は、キャットフードやおやつを買う時と同じように原材料をチェックする癖を身につけてくださいね。
子猫から成猫までライフステージに関わらず猫おもちゃは舐めて安全であることが前提です。
・お手入れ
舐めたり、噛んだりする子猫のおもちゃは、唾液が付着し、そのままではニオイが発生するため、定期的なクリーニングが不可欠。
お手入れのし易い猫おもちゃを選びましょう。
猫用ぬいぐるみおもちゃなら洗濯して速乾性のあるもので。詰め物が化繊なら水を吸わないのですぐに乾きます。
できれば、洗ったときに毛が抜けたり、変形しにくいおもちゃがおすすめ。オンラインで購入するなら、口コミが参考になります。
しゃべる猫のぬいぐるみや猫の動くぬいぐるみのように水洗いできない猫おもちゃの場合は、汚れたときにきれいに拭き取れるものを。
洗いにくい、洗えない猫おもちゃの場合は、汚れた部分を拭き取り日光消毒するようにします。
トンネルなら物干し竿に通して天日干し、風に当てて除菌や消臭を。
3. 猫目線による猫おもちゃ 選び方
猫おもちゃで最も重要なのは安全性であることは疑う余地がありませんが、猫がハンティングを楽しめなければ猫の遊び道具にはなりませんよね。猫の気持ちは?
・硬さ
子猫に与えるおもちゃはソフトなものを。
噛む加減がわからない子猫にとっては力の入り具合に左右されずにしっかり噛めるやわらか目のものに。硬いおもちゃは子猫にとってストレスです。
・音や匂い
またたびおもちゃは、熱中しやすい猫おもちゃです。
とはいえ、キャットニップおもちゃといわれるこの種のおもちゃは、猫ちゃんを酔わせる成分が時間の経過とともに、とんでしまうので徐々に効果が薄れます。
猫は音にも敏感に反応します。
猫おもちゃでも音がなるもの、しゃべる猫おもちゃ、子猫が触って「しゃりしゃり」音がするおもちゃも、猫は熱中しやすいアイテムです。
4. 猫おもちゃを120%楽しむ環境
猫は、より本格的なハンティング環境を好むのは間違いありません。笑。
部屋に物があふれるのは、生活上問題ですが、何もない部屋では、猫が身を隠す場所探しでうろうろします。
部屋には、適度に身をひそめたり、隠れたりできる障害物を置いて、獲物を狙う場所を作ってあげると良いです。
と言っても、特別なことは不要です。カーテンを下げる、押入れなら少し開ける、ソファーやベッド下にスペースを作ってあげる、扉は半開きにする…など。
普段の生活環境をちょっとした工夫しただけで、室内は猫のテーマパークになりますよ。
5. 猫との付き合い方(初めての飼い主様向け)
「猫との遊び方までいちいち教えてもらわなくても大丈夫」と考えている飼い主さんも多いですよね。
安心してください。この章では遊び方をお伝えしようとするわけではありません。
ここでは、猫と上手に付き合う方法をお伝えします。
猫は熱しやすく冷めやすい動物であることを踏まえて遊ぶ、というのがCS向上「猫満足度 Cat Satisfaction」 に貢献します。笑。
5-1. ふたつ以上の猫おもちゃを準備
子猫を迎えると、すぐにおもちゃを購入して、つい毎日、同じもので遊びがちになりますが、実はあまりよくなかったりします。
遊ぶときには、何種類かのおもちゃを準備してローテーションしながら遊ぶのがおすすめです。
5-2. 目いっぱい遊ばない
ひとつのおもちゃで目いっぱい遊んでしまうと次回遊ぶときのテンションが下がるので、盛り上がっているうちにやめることがコツ。
もう少し遊びたいところをあえて途中終了することで次回の楽しさ、待ち遠しさにつなげることができます。
5-3. 強要しない
猫はツンデレ、そして気まぐれであることは説明した通りです。
気乗りしないときにおもちゃを見せても飼い主さんの時間だけがむなしく過ぎていくばかりになります。
猫の気持ちはコントロールできませんので、猫が気乗りしない場合でも遊ぶチャンスは、ご飯の前にあるかもしれません。ハンティングの気持ちが高ぶっていることが多い時間です。
5-4. 指で遊ばない
最後は注意点。子猫を初めて猫を飼う飼い主さんにありがちなのが、つい指で遊ぶこと。
子猫の時に指で遊んでしまうと指をおもちゃと勘違いするのです。
加減がわからない子猫は思い切り噛むこともあるので、子猫でも猫おもちゃで遊ぶのが正解ですよ。
それでは狩猟本能を覚醒する猫ちゃん本気度120%のおすすめ猫おもちゃをご紹介します。
6. 生き物のような猫おもちゃに
猫おもちゃの中には動くおもちゃが売られています。
猫は、動くものに執着する性質があるためですが、実は、猫おもちゃで遊ぶ時にもこの点に気をつけると猫も遊びに熱中します。
店頭で販売している動くおもちゃでも、決まった方向、決まった動きなど、単調な動きの猫おもちゃは飽きやすい傾向があります。
動くおもちゃを選ぶときには、不規則な動きが楽しめるものがおすすめです。
例えば、ボールで遊ぶときにも、ピンポン玉より、ミニラグビーボール、自走おもちゃも、一直線ではなく、予想がつかない動きをするも、あるいは、飼い主さんがコントロールできるリモコンタイプなどが熱中するタイプです。
猫じゃらしが廃れずに猫おもちゃの定番と言われるのは、飼い主さんの気分ひとつで生き物のように変身する?からかもしれませんね。
7. まとめ
猫おもちゃで最も大切なのは、安全性です。
遊ぶ前、遊んだ後はおもちゃの点検を欠かさず実施し、パーツが取れそうだったり、ひび割れ、消耗部分などがないことを必ず確認してくださいね。
おもちゃを含む猫グッズは室内猫にとって野生のDNAを覚醒させ運動不足解消のにもなるアイテムです。
飼い猫の住環境は平和そのもの。夜中に急に始まる猫の運動会は、その日の運動不足が原因。猫のストレス解消のためにも適度な運動は猫に不可欠です。