犬の知育玩具とは、どのようなものを言うのでしょうか。
一般に、犬の給餌用おもちゃは、知育に役立つものが多く、「犬のおもちゃ=犬の知育玩具」と考えている飼い主さんはとても多くいらっしゃいます。
とはいえ、犬にとって、おもちゃは楽しいだけではなく犬の本能や好奇心を呼び起こすアイテム。中でもスマートに育てるには不可欠なアイテムが知育にフォーカスしたおもちゃです。
この記事では、最初に一般の給餌用おもちゃと知育玩具の違いを説明し、そのあと、知育玩具のメリットについて解説します。
最後まで読んで、知育玩具の持つ可能性を再認識し、賢く愛犬を育ててみませんか。
1. 一般のおもちゃと知育玩具の違い
犬の知能レベルは人間で言うと2歳から3歳。
ちょうど2,3歳の幼児が与えたおもちゃに熱中するように、犬は、おもちゃに熱中しやすく、食べること、寝ることと並んで楽しみな日常の一コマです。
犬の知育玩具は、食事やおやつをあげるときが出番であり、フードボウルでサーブする代わりに活用するのが一般的です。
犬の知育玩具を紹介するウエブサイトには、給餌用玩具(フードディスペンサー・餌やり器)と知育玩具(パズル式フードディスペンサー・餌やり器)を同じように扱っているサイトがありますが、この2つには明確な違いがあります。
1-1. 給餌用玩具(フードディスペンサー)とは
一般的な餌やり用玩具は、飼い主が見守らなくても安全に使用できるように設計されています。
犬のフードディスペンサーは、犬の本能である、「噛む」「嗅ぐ」「蹴る」といった基本動作を繰り返しながら食事をするようになっており、スローダイニングを実践するには最適なアイテム。
フードボウルのように一度に大量のドッグフードを食べることができません。


短気な性格や気性の荒い犬でも、気軽に利用できるのがこのフードディスペンサータイプで、イラっとしておもちゃに当たり散らしても壊れにくい構造です。また、部品を飲み込むリスクがないように設計されています。
一般的なフードディスペンサー活用方法については「しつけを兼ねた始め方とレベルアップ方法をご紹介」で解説しています。
1-2. 知育玩具とは
一方、給餌用おもちゃの中には、犬の知育おもちゃと呼ばれるタイプがあります。
犬用知育玩具は、パズルを解くような仕組みで、飼い主さんが一緒に見守りながら楽しむように設計されています。
食べ物を得ようとしてパーツを動かそうにも、簡単に動かせないのが知育玩具。
ピンポイントで、どのパーツをどのように動かせば食べ物が手に入るかを自分で考え、脳を鍛えます。


知育用として開発されたおもちゃは、パーツを動かして餌を得るという構造上の理由から、給餌器より複雑な仕様です。
細かい部品やプラスチックで構成されるおもちゃの中には、噛む力が強いと壊れれしまうものもあるので、飼い主さんの監視の下で一緒に遊ぶように必ず注意書きがあります。
犬の知育玩具は、遊んでいる間も注意を払わなければならないということですが、一方で、飼い主さんとインタラクティブに交わるという点で、絆を深める道具ともいえます。
犬の知育玩具は、食べ物を得るために思考力を鍛えます。
日常生活に取り入れることで、犬の知性を刺激し知恵力を伸ばすのが犬知育玩具。犬は、できるまで挑戦し続けるので、長時間おもちゃに夢中にさせておくことが可能です。
とはいえ、前にもお話しした通り、放っておかずに、ちゃんと監視するようにしてくださいね
一般の餌やり用のおもちゃが自分一人でも遊べるように作られているのに対し、パズル式知育玩具は、飼い主さんの監督下で、一緒に遊ぶように設計されている製品です。
2. 知育おもちゃは多忙な飼い主さんの解決策に
通常のおもちゃでは、犬がすぐに飽きてしまい、結局は飼い主さんが面倒を見る羽目に。
また、引っ張りっこのようなインタラクティブなおもちゃでは、ずっと愛犬の遊びと付き合うことになります。
知育おもちゃなら、犬が一人で集中して遊ぶことが可能です。特に、難易度を調整できるタイプのおもちゃは、犬が自分のペースで楽しむことを可能にしますので、手助けは必要な時だけで済みます。
忙しい飼い主にとって、一緒にいても一緒に遊べないようなケースでは、大助かりです。
ただし、パーツが外れ易く、製品によっては複雑な構造を持った知育おもちゃを与えているような場合、飼い主さんの目の届くところで遊ぶようにしてくださいね。異変があったときにすぐに中止できるようにすることが大切です。
3. 犬の知育玩具のメリット
元来、犬は自分で狩りをする動物であり、食事が準備されているということはありません。食料は自分で調達するものなのです。
パズル式の知育玩具をはじめとするフードディスペンサーは、朝夕の散歩以外にはほとんど運動せずにおとなしく過ごすようになった室内飼いの犬にとって、野生の感覚を取り戻すツール。
フードボウルにドッグフードを入れる代わりにパズル式知育玩具で出せば、犬は中に仕込まれたフードを得るために頭で考え、鼻や足などからだ全体を駆使して取り出そうとします。
知育玩具には、頭を使って餌を獲得しなければ生きていけなかった時代のDNAを呼び起こし、狩猟本能を満たせる力があるのです。
では、具体的に知育玩具にはどんなメリットがあるのでしょうか。編集部ではメリットを大きく5つに分類しました。
3-1. ゲーム終了の達成感
犬の知育玩具には犬自身が欲求を満たすための道具として夢中になれる要素が詰まっているといえます。。
パズルのおもちゃは、犬が、簡単に手に入らないフードを最後の一粒まで手に入れるために果敢にチャレンジし獲得するためのゲーム。特に難易度の高い課題をクリアした瞬間、犬は「できた!」という自信を持つことができます。
こうした達成感が、次のチャレンジへの意欲を引き出し、犬の自己肯定感につながります。さらに、このような成功体験を積み重ねることで、日常生活やトレーニングにも前向きに取り組む姿勢が育つともいわれます。達成感は、犬の幸福度を向上させる大切な要素にもなります。
3-2. 早食い・大食い防止効果
頭を使わなければ食事にありつけないような境遇になれば、フードを取り出すために考え、試行錯誤を繰り返しますので、食事のスピードはスローダウンします。
犬の知育玩具は、早食いが原因で生じていた嘔吐や胃拡張、消化不良などの副作用も防ぐことができるようになります。


3-3. 脳トレとボケ防止
記憶力減退に関するさまざまな問題は、人間だけに限ったことではありません。
パズルタイプの知育玩具は、心とからだに心地良い脳トレエクササイズを提供し脳を鍛えます。
パズルを解きながら食べるようになれば、脳が活性化され老犬の認知症を抑制する効果が期待できます。
3-4. ダイエット効果
フードを獲得するために考え、結果的に食事の速度がゆっくりになることは、健康管理という意味でも大きなメリットがあります。
街を散歩する犬を観察すると、時折太りすぎの犬をみかけますが、人と同じように健康的とは言えません。
ペースを落して食べることは、人と同様、食事中に脳の満腹中枢が機能しますので、量を減らして満腹感を得ることができます。
知育玩具は、フードディスペンサーのように、少しずつ時間をかけて食事をすることで食べ過ぎを防止し、ダイエット効果をもたらすのです。


3-5. 集中力の向上
何といっても、知育おもちゃは、犬の注意力と集中力を鍛えるための理想的なツールです。
特にフードを取り出す仕掛けがあるタイプでは、犬が問題を解決するために頭を使い、遊びに集中する時間が長くなりますが、このプロセスは単なる遊びではありません。
いわば、課題解決に向けて脳がフル回転して犬の思考力を刺激します。また、犬が「次はどうすればいいのか」と考えながら行動することで、自発的に集中力を高める力が育まれます。
このような考える力の強化により、トレーニングやコミュニケーションにも良い影響を与えるため、知育おもちゃは遊びだけでなく、犬の生活全般にわたる質を高める重要な役割を果たします。
3-6. 退屈による欲求不満を軽減
咥えたり噛んだりする単純な遊びが中心の一般的なおもちゃは、犬がすぐに飽きてしまうことも多く、長時間の退屈を完全には解消できません。一方で、知育おもちゃは「考える」楽しさを提供します。
例えば、フードを取り出す仕掛けのあるおもちゃでは、愛犬が工夫しながら遊ぶため、集中力を維持しやすく、退屈からくるストレスを効果的に軽減。
3-7. 問題行動の予防
家具や靴を噛むといった問題行動は、多くの場合、エネルギーの発散不足や退屈が原因。一般の犬用おもちゃでは、一時的に噛む欲求を満たせても、犬が満足感を得られるほどの刺激を提供できないことがあります。
これに対して、知育おもちゃは、頭を使いながら体も動かすよう設計されています。犬のエネルギーを適切に発散させることが、イライラの軽減につながり、結果、噛む行動やいたずらを抑える効果が期待できます。
4. ニーナ オットソンについて
ニーナ・オットソン(Nina Ottosson)はスウェーデンに本社を構えるペット用玩具の企画販売会社。
犬の知育玩具で有名なニーナ・オットソンですが、実は猫用の知育おもちゃも販売しています。今回は、ニーナオットソンおすすめの知育玩具を3つご紹介します。
ニーナ・オットソンは、独自の基準で難易度を設定、犬や猫の飼い主さん向けに購入前のガイドラインとして表示していますので参考にしてくださいね。
① ニーナ・オットソン レベル1 犬知育玩具 トリーツ・ゲーム サークル
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- 知育玩具 ニーナ・オットソン トリーツ・ゲーム サークル
こちらも知育玩具の有名メーカー、ニーナ オットソンのおもちゃです。
難易度はレベル1で、いわば初めて知育おもちゃを与える人に。
ほねの蓋を外せばすぐに食べ物を取り出すことができるシンプル構造。とはいえ、蓋をして取り出し方に手こずる場合は、まず飼い主さんがお手本を。
分解できますので、食事後にきれいに洗えば、いつも清潔に使用することができるのも良いですよね。
② ニーナ・オットソン レベル2 犬知育玩具 トリーツ・ゲーム ウォーターメロン
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sources: amazon.co.jp - 知育玩具 ニーナ・オットソン トリーツ・ゲーム ウォーターメロン
ニーナ オットソンの製品はすべて難易度調整付き。このおもちゃは上下のスライドとスイカの種の回転が基本動作なので、本文で紹介した知育トイに比較すると難易度が上がります。
難易度は、ニーナ オットソンでいうレベル2。ひねりを加えたチャレンジモデルで、ちょっとした仕掛けを楽しみたい飼い主さんにピッタリのエントリーモデル犬用知育玩具です。
③ ニーナ・オットソン レベル3 犬知育玩具 トリーツ・ゲーム カジノ
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sources: amazon.co.jp - ニーナ・オットソン トリーツ・ゲーム カジノ
このトリーツゲームカジノはニーナ オットソン製品でもレベル3の「アドバンスト」。このレベルになると急に難しくなりますよ。
引き出しに骨型のロックが付いた難易度の高い知育玩具です。
ロックを解除して引き出しを引っ張らなければおやつにはありつくことができません。 チャレンジングな飼い主さんは、是非トライしてみてください。
④ ニーナ・オットソン レベル4 犬知育玩具 マルチパズル
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sources: amazon.co.jp - ニーナ・オットソン マルチパズル
このトリーツゲームカジノはニーナ オットソン製品でもレベル4の「エキスパート」。レベル3ができるようになった犬向けです。
このおもちゃは、ひとつずつ制覇していくタイプ。ロックを外しても限定的な動きで、忍耐力が必要になり、チャレンジングです。
いきなりの高難易度おもちゃは、あきらめの早い犬の場合、飽きてしまい(あきらめてしまい)遊ばなくなることも。
ジャンプにも助走が必要に、まずニーナ オットソンのレベル2、もしくはレベル3をマスターした後が良いかもしれません。
4. まとめ
いかがでしたでしょうか。犬の知育玩具には多くの利点があることは理解いただけたと思います。
紹介した犬のおもちゃは、飼い主さんも一緒にゲームに参加して知力を鍛えますので、一般的なフードディスペンサーと比較して難易度が高いのです。
犬の知育玩具を利用して一緒にゲームを楽しめば、飼い主さんとの絆を深めることはもちろん、犬の肉体的、精神的な健康維持、体重、行動、さらにストレスのコントロールも可能に。
犬の知育玩具は、力のない子犬から体力が衰えた老犬まで、年齢とらわれずに知力を鍛えることができるアイテムです。