犬の知育玩具とは、どのようなものを言うのでしょうか。
一般に、犬の給餌用おもちゃは、知育に役立つものが多く、「犬のおもちゃ=犬の知育玩具」と考えている飼い主さんはとても多くいらっしゃいます。
とはいえ、犬にとって、おもちゃは楽しいだけではなく犬の本能や好奇心を呼び起こすアイテム。心とからだに5つのメリットがあり、飼い主様にとっても子犬をスマートに育てるには不可欠なアイテムです。
この記事では、まず、一般の給餌用おもちゃと知育玩具の違いを説明し、そのあと、知育玩具のメリットについても解説します。
最後まで読んで、知育玩具の持つ可能性を再認識し、賢く愛犬を育ててみませんか。
1. 一般のおもちゃと知育玩具の違い
犬の知能レベルは人間で言うと2歳から3歳。
ちょうど2,3歳の幼児が与えたおもちゃに熱中するように、犬は、おもちゃに熱中しやすく、食べること、寝ることと並んで楽しみな日常の一コマです。
犬の知育玩具は、食事やおやつをあげるときが出番であり、フードボウルでサーブする代わりに活用するのが一般的です。
犬の知育玩具を紹介するウエブサイトには、給餌用玩具(フードディスペンサー・餌やり器)と知育玩具(パズル式フードディスペンサー・餌やり器)を同じように扱っているサイトがありますが、この2つには明確な違いがあります。
1-1. 給餌用玩具(フードディスペンサー)とは
一般的な餌やり用玩具は、飼い主が見守らなくても安全に使用できるように設計されています。
犬のフードディスペンサーは、犬の本能である、「噛む」「嗅ぐ」「蹴る」といった基本動作を繰り返しながら食事をするようになっており、スローダイニングを実践するには最適なアイテム。
フードボウルのように一度に大量のドッグフードを食べることができません。
短気な性格や気性の荒い犬でも、気軽に利用できるのがこのフードディスペンサータイプで、イラっとしておもちゃに当たり散らしても壊れにくい構造です。また、部品を飲み込むリスクがないように設計されています。
1-2. 知育玩具とは
一方、給餌用おもちゃの中には、犬の知育おもちゃと呼ばれるタイプがあります。
犬用知育玩具は、パズルを解くような仕組みになっており、飼い主さんが一緒に見守りながら楽しむように設計されています。
食べ物を得ようとしてパーツを動かそうにも、簡単に動かせないのが知育玩具。
ピンポイントで、どのパーツをどのように動かせば食べ物が手に入るかを自分で考え、脳を鍛えます。
一般的に、知育玩具は、パーツを動かして餌を得るという構造上の理由から、給餌器より複雑な仕様です。
細かい部品やプラスチックで構成されるおもちゃの中には、噛む力が強いと壊れれしまうものもあるので、飼い主さんの監視の下で一緒に遊ぶように必ず注意書きがあります。
犬の知育玩具は、遊んでいる間も注意を払わなければならないということですが、一方で、飼い主さんとのコミュニケーションを促し、絆を深める道具ともいえます。
犬の知育玩具は、食べ物を得るために思考力を鍛えます。
日常生活に取り入れることで、犬の知性を刺激し知恵力を伸ばすことができる犬知育玩具です。
犬は、できるまで挑戦し続けるので、おもちゃに熱中させておくことが可能です。
もちろん、飼い主さんも、その間は愛犬に付き合うようにしてくださいね
2. 一般的な犬の給餌用玩具と知育玩具の共通点と相違点
2-1. 共通点
フードディスペンサー(給餌用玩具)も知育玩具も、犬が早食いや大食いのペースを落とすことができるアイテムです。
2-2. 相違点
犬用フードディスペンサーは、フードを隠す、取り出し口を狭くして出しにくい設計。一方、犬用の知育玩具は、パーツを動かさなければ食べ物が出ない設計に。
簡単に言えば、一般のフードディスペンサーはか鼻を利かせ手足を動かして食べ物を手に入れますが、犬の知育玩具・知育トイと言われるのは、頭で考えながら鼻や手足を動かし、考える力を身に付け食べ物を手に入れるおもちゃ、と言えます。
2-3. 犬のおもちゃを与えるときに注意すべき点
一般の餌やり用のおもちゃは犬が自分一人でも遊べるように作られているのに対し、パズル式知育玩具は、飼い主さんの監督下で、助けを借りながら食事をするように設計されていることが大きな違いです。
知育玩具を始める前のフードディスペンサー活用方法については「しつけを兼ねた始め方とレベルアップ方法をご紹介」で解説しています。
3. 犬の知育玩具のメリット
元来、犬は自分で狩りをする動物であり、食事が準備されているということはありません。食料は自分で調達するものなのです。
パズル式の知育玩具をはじめとするフードディスペンサーは、朝夕の散歩以外にはほとんど運動せずにおとなしく過ごすようになった室内飼いの犬にとって、野生の感覚を取り戻すツール。
フードボウルにドッグフードを入れる代わりにパズル式知育玩具で出せば、犬は中に仕込まれたフードを得るために頭で考え、鼻や足などからだ全体を駆使して取り出そうとします。
知育玩具には、頭を使って餌を獲得しなければ生きていけなかった時代のDNAを呼び起こし、狩猟本能を満たせる力があるのです。
では、具体的に知育玩具にはどんなメリットがあるのでしょうか。編集部ではメリットを大きく5つに分類しました。
3-1. ゲーム終了の達成感
犬の知育玩具には犬自身が欲求を満たすための道具として夢中になれる要素が詰まっているという点です。
パズルのおもちゃは、犬が、簡単に手に入らないフードを最後の一粒まで手に入れるために果敢にチャレンジし獲得するためのゲーム。
全部食べ終わった時の犬自身の達成感につながっていきます。
3-2. 早食い・大食い防止効果
頭を使わなければ食事にありつけないような境遇になれば、フードを取り出すために考え、試行錯誤を繰り返しますので、食事のスピードはスローダウンします。
犬の知育玩具は、早食いが原因で生じていた嘔吐や胃拡張、消化不良などの副作用も防ぐことができるようになります。
3-3. 脳トレとボケ防止
記憶力減退に関するさまざまな問題は、人間だけに限ったことではありません。
パズルの知育玩具は、犬の脳を鍛え、心とからだに心地良い脳トレエクササイズを提供します。
パズルを解きながら食べるようになれば、脳が活性化され老犬の認知症を抑制する効果が期待できます。
3-4. 欲求不満の解消
もし、愛犬がストレス気味でパワーを持て余せば、いつか欲求不満が爆発します。
イライラが溜まれば噛む犬もいますし、場合によっては家具を破壊する行動を起こしかねません。
性格にもよりますが、常に飼い主さんと遊びたがっている犬なら、時間を持て余すこともあります。
パズル式知育玩具は、犬に、チャレンジングな行動を日々促す一方、狩猟本能を満たします。
知育玩具は、ストレスを解消することで、イライラから生じる悪い癖を矯正することにつながります。
3-5. ダイエット効果
フードを獲得するために考え、結果的に食事の速度がゆっくりになることは、健康管理という意味でも大きなメリットがあります。
街を散歩する犬を観察すると、時折太りすぎの犬をみかけますが、人と同じように健康的とは言えません。
ペースを落して食べることは、人と同様、食事中に脳の満腹中枢が機能しますので、量を減らして満腹感を得ることができます。
知育玩具は、フードディスペンサーのように、少しずつ時間をかけて食事をすることで食べ過ぎを防止し、ダイエット効果をもたらすのです。
4. ニーナ オットソンについて
ニーナ・オットソン(Nina Ottosson)はスウェーデンに本社を構えるペット用玩具の企画販売会社。
犬の知育玩具で有名なニーナ・オットソンですが、実は猫用の知育おもちゃも販売しています。今回は、ニーナオットソンおすすめの知育玩具を3つご紹介します。
ニーナ・オットソンは、独自の基準で難易度を設定、犬や猫の飼い主さん向けに購入前のガイドラインとして表示していますので参考にしてくださいね。
① ニーナ・オットソン レベル2 犬知育玩具 トリーツ・ゲーム ウォーターメロン
- 知育玩具 ニーナ・オットソン トリーツ・ゲーム ウォーターメロン
スウェーデンのペット用知育玩具メーカー、ニーナ オットソンの製品です。
ニーナ オットソンの製品はすべて難易度調整付き。このおもちゃは上下のスライドとスイカの種の回転が基本動作なので、本文で紹介した知育トイに比較すると難易度が上がります。
ニーナ オットソン的にレベル2。ひねりを加えたチャレンジモデルで、ちょっとした仕掛けを楽しみたい飼い主さんにピッタリのエントリーモデル犬用知育玩具です。
② ニーナ・オットソン レベル3 犬知育玩具 トリーツ・ゲーム カジノ
- ニーナ・オットソン トリーツ・ゲーム カジノ
このトリーツゲームカジノはニーナ オットソン製品でもレベル3の「アドバンスト」。
引き出しに骨型のロックが付いた難易度の高い知育玩具です。
ロックを解除して引き出しを引っ張らなければおやつにはありつくことができません。 チャレンジングな飼い主さんは、是非トライしてみてください。
③ ニーナ・オットソン レベル3 犬知育玩具 トリーツ・ゲーム ツイスター
- 知育玩具 ニーナ・オットソン トリーツ・ゲーム ツイスター
こちらも知育玩具の有名メーカー、ニーナ オットソンのおもちゃです。
難易度はレベル3で「カジノ」と同様、前足と鼻の2つを使っておやつをゲットするタイプです。
周りのハンドルにロックをかければ、難易度を上げることができる知育玩具なので、レベルアップしながら長期間にわたってワンちゃんの狩猟本能を持続させることができます。
4. まとめ
いかがでしたでしょうか。犬の知育玩具には多くの利点があることは理解いただけたと思います。
紹介した犬のおもちゃは、飼い主さんも一緒にゲームに参加して知力を鍛えますので、一般的なフードディスペンサーと比較して難易度が高いのです。
犬の知育玩具を利用して一緒にゲームを楽しめば、飼い主さんとの絆を深めることはもちろん、犬の肉体的、精神的な健康維持、体重、行動、さらにストレスのコントロールも可能に。
犬の知育玩具は、力のない子犬から体力が衰えた老犬まで、年齢とらわれずに知力を鍛えることができるアイテムです。