犬を飼い始めたら必ず必要になるのが留守番ですよね。共働き家族はもちろん、買い物に出かける1、2時間でも犬の留守番機会が出てきます。
この記事では、長時間留守にしがちで、犬に留守番をさせることが難しいと悩んでいる一人住まいや共働き世帯の飼い主や、普段家にいても安心して犬を留守番させたい飼い主、これから犬を飼う予定で犬に留守番させる方法を事前に習得しておきたい方向けに説明しています。
性格的に我慢強く、もともと番犬で買われた犬種には留守番を苦にしない子は、共働きでも飼いやすい犬と言われます。一方、寂しがる傾向のある犬はストレスになりやすい時間です。
是非、この記事を読んで愛犬の留守番の不安解消に繋げてください。
犬の留守番で飼い主が準備できることは、事前に、安心して過ごせる環境を作ること、安心して過ごすことができるせる心のケアやしつけです。
まずは、愛犬が不安なくリラックスして過ごせるようにしてあげましょう。
1. 留守番のトレーニング
犬を飼い始めたらケージに入れて飼うようにすることが基本です。留守番にケージを使用するために、まずはケージに慣れさせるようにしましょう。すでにケージに慣れている犬もいると思いますので、ここではさらっと説明します。
ハウストレーニングとは、ケージやサークル、クレートなどを犬が休憩する所として使えるようにするトレーニングです。
ブリーダーでも、ペットショップでも保護センターでも、犬はケージでの生活経験がある場合がほとんどです。飼い主がすべきことは、犬を迎えたら新しい環境で新しいケージに慣れさせる訓練になります。
まずは、初日からケージに慣れさせること。
おやつやご飯をケージで食べさせるようにするなど、ケージに入るモチベーションを与えながらトレーニングしましょう。
その後、ケージに慣れたら犬が不安がらずに留守番できるように少しづつ時間を伸ばしていきます。
第一段階は、ちょっとした外出。1時間~2時間程度ののための留守番に慣れることを目指しましょう。
それでも、買い物のための1~2時間の留守番と日中完全に家を空ける留守番とは異なることを認識してくださいね。
続いて、犬を留守番させる前にどのような準備が必要になるかを説明します。
2. 仕事前・お出かけ前の対応
2-1. 犬に留守番させる前は十分なエクササイズを
犬の留守番が必要になる共働きや一人暮らしの場合、今まで以上に早起きしましょう。
もちろん初心者の飼い主でも、朝夕1日2回の散歩は欠かさないようにするという決意で犬を飼い始めると思います。
散歩には、ストレス発散、運動不足解消、社会化トレーニングなど様々な意味合いがありますが、朝の散歩に関しては、犬に留守番をさせるうえでも重要な役割があることも覚えておきましょう。
仕事に出かける前の散歩は、いわばエネルギーを消費させる(疲れさせること)です。
散歩から戻れば肉体的な疲労は言うまでもなく、散歩中の様々な外的な刺激を受け精神的にも疲れます。
帰宅すれば、心身ともに緊張から解放されます。いわば、からだを休める準備が整ったとも言え、犬が留守番する間は、寝る時間が増えるようになります。
愛犬が留守中寝ているようになれば、問題行動を起こすリスクは少なくなりますので飼い主も安心ですよね。
朝の散歩から戻ったあと、出かけるまで遊ぶことができれば、犬もハッピー。体力の消耗は留守番にもプラスになり飼い主もハッピーです。
ただし、出かける間際まで遊びすぎると、飼い主が外出するときの落胆も大きくなるので、散歩から戻った後のゲームはほどほがいいです。笑。
2-2. 行動をワンパターン化しない
出かける前にコートを着る、洗面所で身支度する、お決まりの順番で同じルートで移動する、など、ワンパターンの行動にならないようにしましょう。
犬に留守番させる前の飼い主の行動がお決まりのパターンになると、賢い犬は留守番させられることを悟ってきます。
そうならないためには、普段家の中を行き来するように出勤前、買い物前の行動もさりげなくふるまうようにするのが正解。
極端な言い方をすれば、外出の支度をしながらそのまま無視して出かけてしまう、という方法も犬にさりげなく留守番状態にさせる効果的な方法です。
2-3. おもちゃを数種類準備
おもちゃは犬が頭を使ってからだを動かす、自分を楽しませることができるインタラクティブな道具です。
犬が留守番している間も、おもちゃやゲームなど脳に違った刺激を与えることで精神的なストレスを抑えることができます。
ケージの中には、必ず噛んで遊べるおもちゃを入れることをおすすめします。
初めて犬を飼う飼い主の中には、子犬から飼い始めることも多いですよね。子犬の場合は、歯の抜け代わりの時期を迎えると口の中がムズムズするといわれ、犬に留守番をさせるには、留守中の歯のイライラ解消ために、噛むおもちゃは必需品です。
また、コングのようなおやつを詰められるものも◎。コングの中におやつを入れて、ピーナッツバタ― などで蓋をするようにすれば、しばらくは、おやつを出すために格闘します。笑。
頭を使って食べることに神経を集中することで脳が活性化され、意識も食べ物に集中しますので、その間のいたずらも無駄吠えもなくなります。
とはいえ、スマートな犬は、時間がかかって得るものが少ないとストレスに。最初は簡単に取り出せるようにして、頑張れば報われることを体験させ徐々に難易度を挙げていくことが適切なアプローチです。
まずは、転がせばおやつが出せること手を取りながら教えましょう。
コツをつかめたら、その後、自力で取り出せるようになるところまで見守ります。その後…、
– 丸形状のおやつを入れたら入り口にピーナッツバターなどで入り口を狭くする
– 転がしても簡単に出ない細長いものやウエットフードを入れる
– 転がっても簡単に出ない細長いフードを入れ、さらにピーナッツバターで入り口を塞ぐ
というようなステップで。
もし、食べ残しがあれば、取りやすくするなど毎回見直しすることも忘れずに。犬も頭の体操にもなり、何かに集中するものがあれば、犬の留守番が充実したものになります。
2-4. 留守番カメラを設置する
それでも行儀よく愛犬が留守番出来ているか心配になる飼い主には、ペット用留守番カメラを設置するという方法もありますね。
ケージの中で留守番させているとはいえ、気になったときにいつでも愛犬の留守番の様子をチェックできるのは安心です。
ケージを卒業した後も追尾機能つきペットカメラ を利用すれば部屋の中を動き回る犬の留守番の様子も観察できます。
スマホと連動して飼い主の声をリアルタイムで届けられるペットカメラやおやつの給餌機能の付いた「Furbo」 のように最近メジャーになったペットカメラもあります。
明るいうちに帰宅できない共働き家族でも、最近の性能が良くなったペットの見守りカメラは暗い室内で留守番する犬の様子をはっきり認識できる使えるアイテム。
でも、早めに帰宅できるなら、それに越したことはありません。
お帰りを待ちわびている犬の留守番時間は少しでも短くしてくださいね。
3. 犬が留守番中の対策
3-1. 温度対策
快適に過ごすには、まず温度対策。
犬は、見ての通り被毛に覆われています。
被毛は、暑い日に、直射日光から肌を守り、紫外線によるやけどや体温の急激な上昇を抑える役割をし、気温の低い日は、寒さから身を守る体温調節の役割があります。
そのため、犬自身は、ある程度の暑さや寒さをしのぐことができるからだになっています。
とはいえ、ずっと暑い場所や寒い場所にいれば、からだも弱り、体調を崩しかねません。このことは、室内飼いでも外飼いでも同様です。
温度が高すぎたり低すぎたりすれば、心地良く過ごすことができません。
室内飼いなら室温は、ヒーターやクーラーで容易に調節できますので、犬が留守番する室内温度には気を配りましょう。
専用のクッションやベッドも役立つアイテム。犬は、留守番中も暑ければ床で寒ければベッドで休むようになります。
犬にとっての適性温度は、人が少し涼しいと感じる程度、一般的には20度から25度程度と言われます。犬によって適温に差があるのは、分かりにくいですよね。
なぜ幅があるのでしょう。それは犬のサイズや、遺伝的要素、普段からの生活環境によっても異なるからなのです。一般的に、小型犬は体重の割合に表面積が広く、熱量を消費しやすく、中型犬や大型犬に比較して寒さに弱いと言われます。
また、寒さに強い犬は暑さに弱いともいわれ、原産地などの遺伝的な要素が深く関わってきます。
愛犬が寒さに強いのか、暑さににも強いのかを知る最も的確に判断するのは、獣医さん。
飼い始めの混合ワクチン接種をする際に、獣医さんに、かかりやすい病気や飼育上の注意点と一緒に適温についても聞いておきましょう。
3-2. ケージの活用
犬に留守番させるときには、(ケージを卒業するまでは)必ずケージの中に入れてお出かけすることは、第一章でも説明した通りです。
犬は留守する間、何もすることがなくなると興味をもったものに近寄ります。
犬を迎えたばかりの新しい環境は、全てが興味の対象なので、好奇心旺盛な犬がどんな行動をとるか想像できません。飼い主が監視できない環境では、必ずケージに入れましょう。
・普段家にいる飼い主用ケージ
普段家にいることが多い飼い主ならコンパクトなケージでも構いません。
普段家にいる飼い主は、ケージの外でのびのび遊べるので、ケージは、飼い主が目を離すときの一時避難用。
ケージは、留守中の怪我の防止以外に、いたずら防止や誤飲・誤食防止にも役立ちます。
普段家にいる飼い主も犬が安全に過ごせるケージを活用しましょう。
・共働きや一人暮らしの飼い主用ケージ
共働きや一人住まいで犬を飼う場合、長時間家を空けることになります。
犬にとってケージの中は、長時間行動制限を伴った留守番生活。
食事をしたり、休んだりすると同時に、トイレや遊び場にならなければなりませんよね。
一人暮らしや共働きで長時間犬に留守番させるとなると、ケージの中が生活空間として完結していなければなりません。
日中、犬が留守番状態になる一人暮らしや共働き世帯の場合は、十分なスペースを確保できる大きなケージを選びましょう。
3-3. テレビをつける/ 音楽をかける
誰もいなくなり、静かな空間で過ごすようになると犬も退屈してきます。そんな時には、是非、テレビをつけたりラジオで音楽を流すことを試してみてください。
ラジオなら留守中付けっ放しでも良いですし、タイマーをセットして時間になったら音が出るようにするのも新鮮な刺激になります。
テレビなら、視聴予約をしておけばその時間にテレビのオン・オフをコントロールすることができますよね。
時間が来たらスイッチが入るビデオやケーブルTVの予約機能は、犬が留守番している間、刺激を与えるのにもぴったりです!
音楽はヒーリングミュージック、複雑な音が混じり合うのシンフォニーもおすすめです。
テレビは、経験上アニメがおすすめですが、犬によって興味を示すもの、示さないものが異なります。
在宅中にいろいろな音や映像を試して何に反応するかを確認した後で実行くださいね。
3-4. ホワイトノイズを利用
反対に、ホワイトノイズを使って犬を落ち着かせる方法もあります。
ちなみに、ホワイトノイズとは、テレビから出る「ザー」っという砂嵐の音。窓を開けたときに聞こえてくる「サー」という雨音に例える場合もあり、同様の音でピンクノイズと呼ぶものもありますが、同じです。
これらは、一見すると雑音ですが、一定の波長で耳に入ってくる音は精神的な安定をもたらし、眠くなりやすい音とも言われ犬も寝落ちしやすい音なのです。
このような音を再現するものとしてホワイトノイズマシンがあります。
ホワイトノイズは留守中の無駄吠え防止や留守番中のリラックス用に活用することができますよ。
ホワイトノイズマシン自体は、そもそも人用で、睡眠の質を改善するために不眠症の人も利用できるもの。
眠れないときにご自身の安眠・快眠誘導音として使うこともできますよね。
一定の音で不快な騒音や気になる音をシャットアウトこのような方法は、サウンドマスキングとも呼ばれます。
3-5. 室外の様子をブロックする
テレビをつけたり、音楽をかけたりする一方で、神経質な犬は、外の様子を見て不安になったり、見慣れない人が近づいて吠えたりすることもあります。
出かける際には、カーテンを閉めて、なるべく外の気配が伝わらないような工夫が必要です。
暗くなり過ぎないことも気をつけて。
部屋が道路に面しているような場所にケージを置くと、窓越しに人が目に入ります。
犬が留守番している間も、することがないと、音や気配に対しても敏感になります。
行き来する様子がどう見えるかは、気を配って下さいね。
人影が移りこむような場所は吠える原因になりがちなので、ケージは窓やベランダから少し離して設置しましょう。
4. 仕事から帰った後
4-1. 留守番できたことを褒める
犬に留守番をさせたら、帰宅した後の対応も重要。行儀よく無事に留守番できたら、褒めましょう。退屈させないようないろんな手立てを考えたとしても、犬が留守番する間、全くストレスを溜めずに過ごす訳ではありません。
スキンシップのためにグルーミングをしたり一緒に遊んだりして、留守番中の寂しさを忘れさせるようにしましょう。
4-2. 散歩を欠かさない
飼い主と一緒の時間を過ごすこと以上の楽しみはありませんので、なるべく時間を置かずに散歩に連れて行くことをおすすめします。
特に共働きで、フルタイムで働く場合は、長時間にわたり留守にすることになります。
溜めこんだストレスを一気に忘れさせる最も効果的な方法が、散歩です。
過ごしやすい春先や、暑さが収まる秋口なら帰宅時間はベスト散策タイムです。
夏の暑い時期は、夕方に帰宅しても反射熱で気温も高いです。
とはいえ、散歩は欠かせませんので、暑い時期は、室内で遊んだあと、涼しくなってからウォーキングに出かけるようにしましょう。
散歩から戻ったらブラッシングも忘れずに。
5. まとめ
犬が留守番中退屈しないための楽しめる環境づくりは、飼い主が、犬にきちんと留守番を身に付けさせる出来る数少ない対策のひとつです。
犬はとても賢い動物なので、飼い主がいない間どのように過ごすか、飼い主がどれぐらい経てば帰宅するか、さらに帰宅した後どう接してくれるからだで覚えます。
多くの共働きや一人暮らし方が犬を飼いながら働いていますが、初めから上手く留守番させることができる飼い主は多くありません。
是非、記事の内容を実践してください。そして少しでも短時間に留守番上手な犬になるようしつけてください。あくまで無理なくできることから始めてくださいね。