愛犬とのドライブで、気になるのが車酔いです。犬の車酔いは、車のような閉塞感のある慣れない環境で過ごす不安やエンジンの振動がからだに不調をもたらして生じると言われます。
最初から車に順応する犬もいますが、体力がない子犬や音に敏感に反応するような繊細な犬は、ストレスを抱えやすく、長距離・長時間のドライブで車酔いになりやすいのです。
この記事では、犬とドライブする際、出来る限り不安を払しょくし、犬が車酔いしない方法と慣れるためにすぐにできる対処方法について解説します。
是非、最後まで読んで参考にしてくださいね。
1. 犬の車酔い 事前対策
犬の車酔いで事前に対策が打てれば、これに勝るものはありません。
事前対策として日ごろからできることが十分なエクササイズ。そして、車酔い経験のある犬には、やはり酔い止めの処方をおすすめします。
1-1. 事前に運動させる
事前運動がなぜ車酔いに効果的なのでしょうか。
飼い主がいつも以上に気を遣う犬と一緒のドライブでは、愛犬が体調を崩さず、事故無く目的地までたどり着けるように願います。
となれば、移動中は寝ていてくれれば、これほど安心できることはありません。
普段から散歩のあとにぐっすり休むことが多いことを経験上知っている飼い主ならば、ドライブに出かける前に軽く運動させるのも犬の車酔い防止に効果的です。
軽めの運動でも体力を使えば、そのあとは眠くなる傾向があります。
つまり、移動中、寝て過ごしてもらうことで車酔い対策とするやり方です。
睡眠中は目が回らず、からだはリラックス状態、体調も安定します。目が覚めればまた元気になりますよね。
・事前の運動は一挙両得
適度な運動は、体力を使いリラックスできるようになるため犬にとっては、睡眠導入剤のような役目も果たします。
道中、寝てくれれば車酔いにはなりにくいのですが、一方で、ドライブに慣れてくると、今度は犬がドライブを楽しみに興奮することさえあります。
こうなると、飼い主さんは、犬が車酔いに慣れたと喜んでいいのか、微妙なところかもしれません。
車に乗り込んだ途端、目的地まで吠え続けるということが実際にあるのです。笑。
犬のドライブ前の運動は、心地よい疲労感に包まれるため、車に慣れる前も、慣れた後も安心して連れて行くことができる方法なのです。
さらに、ドライブする前だけではなく留守番させるときにも有効な無駄吠え対策にもなります。
1-2. 酔い止めの薬を処方
以前から車酔いの経験があり、いろいろな方法を試しても車酔いが改善しない犬の場合は、事前に酔い止めの薬を処方してもらうのも車酔い対策になります。
市販されているものもありますが、まずは獣医さんに相談してみましょう。
2. 犬の車酔い 対策 ステップ by ステップ
2-1. 短時間のドライブから開始する
車酔いをする犬は、一般的に不安になりやすくストレスも抱えやすいにタイプがい多いこと。
そこで必要になることは、犬が不安にならない程度の短時間のドライブを繰り返して、少しずつドライブに慣れさせていくことになります。
まずは、自宅近辺を一周する短いドライブからはじめてみます。その際は、愛犬が不安げに見えたら短時間で戻れるような距離感がおすすめです。
慣れないドライブから戻ったら、犬と引っ張りっこなどで遊ぶようにして少しでもドライブで抱えたストレスを解消してくださいね。
家の周りの超短時間ドライブから少し離れた公園に出かけるなど、少しずつ犬とのドライブタイムを延ばすことで徐々に車に慣れてきます。
車の音、震動や狭い閉鎖的な空間で長時間動じることがなくなれば、精神的に落ち着いた状態になっているといえます。
まずは犬が車酔いに慣れること。そうすれば、安心してドライブにも行けますよね。
2-2. 直前の食事は禁物
・犬とドライブ前の体調管理
食後、激しい運動をしたりジェットコースに乗ったりして具合が悪くなった経験をお持ちの飼い主様もいるかと思います。
実は、同様の変化は犬にも。胃の中に食べ物が残った状態でからだが揺れると体調を崩す原因になるのです。
犬とドライブに出かける計画がある場合は、早めに餌を与えて体調を整えましょう。
・消化スピード
余談ですが、犬の餌の消化スピードは年齢、犬のサイズや種類、水分補給の上手下手、給餌するドッグフードの種類などによって異なります。
一般的に活発に活動する成犬ステージでは消化器官も活発に機能して食べ物の消化も比較的短時間ですが、消化機能が低下する老犬ステージでは時間がかかります。
犬種でいえば、アキタ犬や、ラブ、ゴールデンなど、大型犬は小型犬に比較して消化に時間がかかるといわれています。
ドッグフードの種類ならドライフードよりウェットフードが消化しやすいといわれるのは水分が消化を助けるため。さらに、生肉は酵素が含まれるため、効果的に食べ物を消化するといわれます。
一般的には食後2時間から3時間で胃を通過します。飼っている犬の種類や年齢、ドッグフードによっては、ドライブまでの時間を長めにとったほうが良いという判断も必要になりますので、参考にしてください。
ここで取り上げた食事時間は、ドライブだけではなく、運動や散歩する際にも気をつける内容です。
起床直後のお散歩は気にしないと思いますが、日中や夕方にお散歩に出かけるときには、食事時間にも気を遣ってくださいね。
2-3. おもちゃを持ち込む
ドライブは犬にとって狭い車内でおとなしくしている時間。
犬の性格によってはとてもストレスのたまる時間です。
そんな時、イラっとした時にもストレスを発散、犬もドライブ中に気を紛らわせることができるのがおもちゃです。
犬はドライブ中、他に何もやることがないので、おもちゃは、飼い主にとっても手軽に対処できるストレス発散方法です。
2-4. 正面を向いて座らせる
・クレート、ドライブボックスの利用する場合
普段クレートをハウスとして使っている飼い主さんならばクレートを持ち込むのはおすすめ。安全面でも最適です。
ドライブでクレートやドライブボックスを利用する際は、犬が進行方向を向くように設置しなければなりません。
家でも使用しているクレートなら、家の環境そのままに車内に移動することになるので、ドライブ中愛犬もリラックスできるというわけです。
ほとんどの飼い主は、移動用に犬用のキャリーとしてクレートやドライブボックスを持っていると思いますが使っていない飼い主もいますよね。
普段使用してないクレートやドライブボックスを持ち込む場合は、愛犬お気に入りのクッションやおもちゃ、匂いのついたタオルを持ち込むなど普段の環境に近くなるようにセットしてあげてくださいね。
・シートベルトを利用する場合
普段クレートを使用してない飼い主、大型犬でクレートを使わずにドライブする飼い主、犬によってはドライブボックスやドライブベッドに嫌がって入らないなど、ケージ無しで犬を車に載せなければならないケースもりますよね。
大型犬ならリアシートにドライブシートを広げて居場所を作る飼い主もいると思いますが、その場合は進行方向に向かって座らせることが大切です。
横向きで眺める景色は目まぐるしく変わり平衡感覚が失われるので車酔いしやすくなるといわれます。
ドライブシートやドライブベッドを使用して犬を乗せる場合は、犬が正面を向いて固定できる犬用のシートベルトを利用してくださいね。
2-5. 換気する
車酔い対策では新鮮な空気が有効。
車酔いしそうになったときに窓を開けた経験者もいらっしゃるかもしれません。
とはいうものの、危険であることが認識できない犬の場合、ドライブ中、窓を全開にするのは極めて危険です。
助手席に犬を固定した場合は、運転席と助手席の後ろの窓を開ける、大型犬などドライブシートで後部座席に乗せたらシートベルトで固定した座席の反対側の窓を広めに開ける、など工夫しながら車内を換気しましょう。
2-6. 小まめな休憩を取る
犬と長距離ドライブに出るときには、当然、長時間車内で過ごすことになります。
犬との長時間のドライブでは、小まめな休憩を心がけることが大切です。
高速道路を使う場合は、サービスエリアやパーキングエリアを上手に活用しましょう。
休憩時、車から降ろして散歩させれば足のストレッチに。
散歩することで犬の気分もリフレッシュされ、溜まったストレスも開放することができます。もちろん、トイレタイムにもなります。
2-7. お菓子やフードを与えない
ドライブ前に食事を与えないのは、胃に食べ物があると車酔いの原因になるため。
超距離ドライブ中であっても、途中で餌を与えるのはNG。餌は目的地に着いてからあげるようにしてくださいね。
2-8. 温度管理に気を付ける
犬は人間以上に暑がりですよね。
窓を開けて新鮮な空気を取り込むと同時に、エアコンを付けて温度調整し、同乗した犬の体調にも気を遣うようにしてくださいね。
一般的に人にとっては肌寒い温度(25度以下)が犬の適温と言われます。
飼い主さんが暑さを我慢している状態では、犬はかなり暑さに苦しんでいることになりますよ。
ドライブ中、犬同伴の車内は25度がおすすめ温度。犬の体調管理は車酔い対策の第一歩です。
2-9. 車内は静かな環境で
じっとしていなければならない車での外出は、犬にとってもストレスです。
車内は落ち着いてリラックスできる環境にしてあげてください。
飼い主は、小旅行で気分アゲアゲでも犬が一緒のドライブで大音量の音楽は禁物です。ラジオなら音量控えめにトーク番組などを聞いて過ごしてみては。
3. ドライブを楽しもう
犬が車に乗りたがらない要因の一つにドライブの行先が関わってくるといわれます。
子犬を迎えた場合は、ワクチン接種のために頻繁に獣医さん行くことがルーティーンになりがちです。
子犬とのドライブだけではありませんが、「車でドライブ=怖い思いをした場所・動物病院」と記憶されると、車を見ただけで犬もネガティブな発想に。
となると、犬が車に近づくことすら嫌がりかねません。
子犬を迎えた初期段階のドライブでは、楽しい思い出を一緒に記憶させることが大切です。
犬と遊んでくれる知人の家に立ち寄ったり、獣医さんに行ったらご褒美をあげる、家に入る前に外で少し遊んだりするなど、嫌な記憶のうえに、楽しい思い出を上書き保存してあげるのがスムーズにドライブに誘う方法です。
4. まとめ
愛犬が車酔いになれば、折角の楽しい思い出も台無しです。犬の車酔い対策で最も大切なのは精神的なストレスコントロールとドライブ中の体調管理。
体調管理の持ち物としては給水ボトルも水分補給に役立つアイテムです。
特に犬を長距離ドライブに連れて行く場合、クレートやドライブボックスでは長時間同じ姿勢で拘束されストレスが溜まりがちになります。
しっかり計画し、万全のコンディションで愛犬とのドライブを楽しんでくださいね。