犬用のキャリーバッグは愛犬とのお出かけ時の必需品ですよね。
特に、小型犬の場合、ペットキャリーはほぼ制限なく選択することができます。
とはいえ、キャリーバッグによっては、相応しくないシチュエーションもあれば、活躍する場面まで深く考えずに購入してしまうと使い勝手はもちろん、それぞれの目的やライフスタイルに合ったキャリーバッグをおすすめします。
今回は、スリングをはじめ小型犬用リュックやクレート、ペット用カート、コーデに合わせて使えるおしゃれな犬用トートバッグまで小型犬用キャリーバッグを徹底解説!
タイプごとにメリットやデメリットもあり、キャリーバッグを選ぶ時のポイントも異なりますので、最後まで読んで参考にしてくださいね。
1. 小型犬用 スリング
スリングキャリーは小型犬の飼い主様だからこそ選べるキャリー。サイズ的にも抱えやすく、重さ的にも体に負担が少ない小型犬だからこそ外出時に活用できるバッグです。
今では広く認知され、スリングを小型犬のトイプードルや超小型犬チワワ、ミニチュアダックスの外出に利用する飼い主さんも増えてきました。
1-1. スリングの特徴・利点
スリングは、最もカジュアルに普段使いできるキャリーバッグです。
スリングの特徴
スリングは大きなポケットが最大の特徴。からだ全体が包まれる感覚は愛犬にとっても安心感につながります。
他の犬用キャリーに比較してもハンモックに近いフィット感は、細かなサイズを気にすることなく使用でき、愛犬が成長しても密着感が変わらないのがスリングです。
スリングの利点
◯コンパクト性
やわらかい生地で作られたスリングは、使用しないときには小さくたたんでおくことができます
◯軽さ
キャリーバッグの中でも最軽量な部類のスリングは、愛犬の散歩中、肩にかけたままでも負担がなく、たたんで収納しておくこともできます。
◯ハンドフリー
スリングに入れて移動中、手がフリーになるのは飼い主さんにとってもメリット。移動中にスマホで調べ物をしたり、飲み物持参でお出かけすることも可能。スリングなら両手が自由に使えます。
◯密着性
スリングはからだ前方で支えます。
ハンモックのような形状は、他のペットキャリーに比べ密着性が高く、愛犬にとっても安心感が生まれやすいキャリーバッグです。
◯価格
一般的にスリングは他の犬用キャリーバッグに比較すると構造もシンプル、犬用のキャリーバッグの中では最も低価格で購入できるアイテムです。
1-2. スリング購入時の注意事項
◯動かしやすさ
スリングは右肩から左肩、左肩から右肩への移動が容易にできることで、肩の負担をやわらげます。移動しやすいスタイルかを実際に身に付ける、ネットなら着用時の写真で確認してくださいね。
◯肩紐の調整
肩ひもの調節機能がついていますか?また楽に調整できるかを確認しておきましょう。
◯耐久性
軽さがポイントになるスリングの耐久性はどうでしょうか。確認点は2つ。
肩ひもとバッグを結ぶリングやバックルの強度と生地を確認します。
肩紐とバッグ部分のつなぎ目は重量で変形するような素材ではないことも確認します。
布製が多いスリングは、丸洗いでいつも清潔に使えることが利点ですが、低価格で購入できるスリングだからこそ素材にも注目してくださいね。
素材は耐久性があるものを選ぶようにしましょう。
フリースのようなあったか裏地が使われたスリングであれば、夏用はリネンなど風通しのいいタイプにするなど、スリングは衣替えが必要です。
1-3. スリングの活躍シーン
ちょっとしたおでかけに。肩と首で支えるスリングは普段のお散歩など、短時間の外出向きです。
小型犬用のキャリーバッグの中では最もカジュアルなキャリーなので、ご近所のドッグカフェやテラスの席での同伴にもピッタリです。
スリングは、最もお手軽なペットキャリーですが、持ち込む動物のからだ全体をキャリー内に収納することが義務付けられている公共交通機関では、スリングを禁止しているケースがほとんどです。
2. 小型犬用 トートバッグキャリー
キャリーバッグの中で最もおしゃれな犬用キャリーがトートバッグタイプですね。
2-1. 犬用トートバッグキャリーの特徴・利点
犬用トートバッグの特徴
ダックスフントやマルチーズなど軽い小型犬の場合、犬用にしつらえたトートバッグも選択肢。犬用トートバッグは出かける際の手軽さにあるといえます。
ファッション性はキャリーバッグの中で最も高く、愛犬と一緒にコーデの一部として身に付けることができるアイテム。
小型犬にとってもトートバッグは飼い主さんの横で飼い主さんと同じ景色を眺めながら、ちょうどいい密着感で休憩できるスペースです。
犬用トートバッグの利点
◯ファッション性
トートバッグはマテリアルや生地のデザイン性の高いアイテム。その日のコーディネートに合わせ活用できるものが数多くあります。
◯安心感
脇で抱えながら移動することを想定している犬用トートバッグは、犬と飼い主様の密着性も高く、犬にとっても安心感が増すキャリーバッグです。
◯安全性
飼い主様と愛犬が常に同じ方向を向いているため、移動中の愛犬の反応に気づきやすく、すぐ横で状況を把握できる点はトートバッグならでは。
トートバッグなら不安の表情を見せた場合でもすぐに対応可能ですね。
◯耐久性
キャンバスコットン製や樹脂でコーティングされた丈夫なポリエステルの素材であればスリングより耐久性が高いアイテムです。薄めの素材を使用した粗悪品もありますので、素材情報を確認して購入しましょう。
2-2. 犬用トートバッグキャリー購入時の注意点
◯防水加工
バッグ系では不可欠な要素ですね。特に普段使いをするのであれば、外側、内側共に防水加工が欲しいところです。
◯サイズ
愛犬が居心地よく過ごすためには、十分な長さが必要になります。伏せの状態で頭からおしりまで体長を測り、こぶし一つ分の余裕がある長さが理想です。
長さだけではなくトートバッグの高さにも気を使ってくださいね。高すぎるとお座りしたときに顔が埋もれたままになります。首が出る程度の高さがちょうどいいサイズです。
◯バッグ内部構造
おしゃれだけでは機能しないのが、犬用のトートバッグです。愛犬を安全に移動させるには内部構造が犬のキャリーにふさわしいものになっているかを確認しましょう。
- 飛び出し防止ストラップはあるか
- 飛び出し防止ネットがあるか(ジッパーより通気性に勝れる)
- 両サイドには十分なパッドがあるか(ぶつかったときに緩衝材になる)
- 顔が出せる構造になっているか
- 底面は硬く、お座りや伏せの体勢で居心地が確保できるか
- 底鋲があれば地面に置いた際に汚れが軽減されます
◯バッグ外部構造
愛犬との外出時は、リード、おやつ、ウンチ袋、ウンチ袋収納用袋(バッグ)、ティッシュ、マナー用の水、飲料水他、一緒に持ち歩く必要があるものは多岐にわたります。
バッグひとつでお出かけしたい飼い主様であれば、ポケットの数が多いものを選びましょう。
◯装着感
トートバッグは肩にかけるのが基本。移動中は5Kg~6Kgの重量を肩にかけることを考慮した肩に負担が少ないパッド入りやフラットな持ち手のものが疲れません。
デザインが豊富で、普段使いも可能な犬用トートバッグですが、機能が犬向けでなければ愛犬との外出用に使用できませんよね。
また、外見がスタイリッシュでも選ぶときには犬目線も忘れないように。
2-3. トートバッグキャリーの活躍シーン
コーデの一部にもなるトートバッグなら、お出かけするシーンを選びませんね。
愛犬同伴でお友達に会う時、おしゃれなテラス席で一緒にお食事(もちろん愛犬はドッグフードですよ)、かかりつけの獣医さんに健診にお出かけするときも、コーデの一部で大活躍です。
公共交通機関では、必ず体全体をしまえるような仕様のトートバッグが必要です。また、混雑の中で利用する場合、愛犬と周り人を遮るものが飼い主さんの腕だけになります。
すれ違う人や、愛犬が不安を抱えないように、ソーシャルディスタンスを心がけることや、窮屈でも、愛犬がバッグの中で過ごせるようにトレーニングしておきましょう。
3. 小型犬用リュックキャリー
リュックタイプを選ぶ飼い主さんが重視する点は、愛犬の居住性や機能性です。
3-1. 犬用リュックキャリーバッグの特徴・利点
スリングのように移動中の両手が空き、自由が利くだけではなく、耐久性やプライバシーが格段に高いのが犬用のリュックキャリーです。
小型犬用リュックタイプの場合、サイズが中型犬に比べてコンパクトに出来ており、前で抱えたり後ろで抱えたりさまざまな使い方ができます。
私たちが使用するリュックとの大きな違いは、小型犬を運んだ時に背中直に当たらない仕様、犬にとっても歩く時の飼い主さんの背中から伝わる衝撃をやわらげる働きがあります。
犬用リュックの利点
◯安定性
一般的な犬用キャリーバッグは、移動中にバッグを支えるポイントが点や線になります。一方、リュックタイプの場合、肩へのストラップと腰へのストラップを通して背中全体で支える構造を採用します。
特に愛犬を長時間移動する場合、背負った飼い主様が疲れにくく安定した状態を保つことができます。
◯安全性
小型犬用のリュックは愛犬をすっぽりリュックに入れた状態で使用します。上部もバックルやジッパー付きののカバーで、きわめて安全性が高い仕様です。
◯安心感
小型犬用リュックタイプの場合、サイズがコンパクト。前で抱えたり後ろで抱えたりさまざまな使い方ができます。前で抱えたときに、中の様子を知ることができるのも小型犬用リュックのメリットです。
一方、愛犬にとっては、移動中も飼い主さんと一体化している安心感を生むのがリュックタイプです。
◯居住性
飼い主さんの歩みい合わせて揺れながら過ごす愛犬にとって、リュックの中の居心地は重要です。
小型犬用のリュックは、底面が硬い素材で出来ており、伏せの状態、お座りの状態でも安定して過ごせる構造です。
3-2. 犬用リュックキャリーバッグ購入時の注意点
リュックは機能面で充実している一方、確認すべきポイントも多いです。しっかりチェックしましょう
◯耐久性
犬用リュックの弱点は、通気口です。通気口は他のキャリーバッグ同様メッシュでできているため一番弱いところ。耐久性が高いメッシュであることを確認しましょう。
背負ったときのバックルのゆがみや変形が生じないことはもちろんリュックのベルトも丈夫なものであることは最低条件です。さらに気を付けたいのが底面。メーカー推奨体重内、長時間した時にもでゆがみや変形しないリュックを選びましょう。
既存ユーザーのコメントは参考になります。
ジッパーも耐久性のあるものを選びます。外で使用することを考えれば、錆びやすいスチールより、丈夫なプラスチック製です。
◯クッション性
タウンリュックとして近場への移動にも便利なアイテムですが、そもそもリュックは長時間背負うことが前提。
肩には、リュックの重さと愛犬の体重がのしかかります。肩など、からだに接する部分には、十分なクッションがあることを確認しましょう。
◯腰ベルト
リュックのメリットは楽に移動できる点。肩掛けベルトと腰ベルトで支えられるよう、腰用のベルトがついていることを確認しましょう。
◯通気性
完全に中に入れて運搬することもある小型犬のリュックだからこそ、通気性の確認は必須です。
蓋を閉めた状態で空気の循環ができる構造になっているか。最低2か所の通気口が確保されているかをチェックしましょう。
◯飛び出し防止
常にリュックを居心地のよい状態にしても、移動中、何かに驚いたり、予期せぬ行動で飛び出すこともあるため、移動中のストラップは常時着用です。
飛び出し防止用の安全ストラップがついているかを確認しましょう。
◯サイズ
小型犬用のリュックを選ぶときに高さはしっかり計測しますが、奥行は考えていますか?
小型犬用のリュックは出入口を閉じた状態で使用することもあります。リュックの内で愛犬が向きを変えたりするための奥行きが必要になる一方、幅がありすぎると愛犬が自由に動き回り、リュックを背負った側の負担が増します。
3-3. 犬用リュックキャリバッグの活躍シーン
コンパクトな小型犬用リュックは、どんなシーンでも使用可能!
すっぽり隠れるリュックは公共交通機関での移動もでき、タウン用キャリーとして使え、さらに、ちょっと足を延ばすようなハイキングにも活躍しますね。
難点は、背中に背負った場合、様子を確認することが困難。長時間にわたる移動では、背中に背負った愛犬の顔をのぞくように気遣うことが必要になります。前で抱えられるリュックなら、上蓋を上げて声がけすることも大切です。
4. 小型犬用カート(バギー)
今回取り上げる犬用キャリータイプでは、飼い主さんが最も楽に移動できるキャリーです。
ペットカートの走行時の安定性は大型犬のカートだけに求められるものではありません。小型犬のペットカートもまた、押したときの安定感が不可欠です。
◯走行安定性
走行中の安定感は、飼い主様への安心感を高め、愛犬への乗り心地に直結します。最近は三輪の犬用カートも走行性能がアップしていますが、操縦性は四輪にかないません。
走行中の安全性の面からは車輪も幅広が望ましいといえます。
◯コンパクト性
カートなら外出中に携帯性を求めることはありませんが、帰宅後の保管は重視するポイントですよね。
限られたスペースに置く必要があるカートは、折りたためて自立する方が省スペース、使い勝手もよさそうです。
◯軽さ
軽さも重視するポイントのひとつです。楽な移動手段とは言え、機能性を追及したり耐久性を高めたモデルは重くなりがち。
犬用のカートは着目すべきポイントが多く、選ぶときには機能性と携帯性、耐久性も含め取捨選択がキーワードです。
4-3. 犬用カート(バギー)の活躍シーン
周囲が覆われた小部屋タイプのカートは、プライバシーをしっかり確保。
人通りの多い街へのお出かけする時、イベント会場など人混みでストレスが溜まりやすいところで愛犬の気持ちを落ち着かせます。
老犬のお散歩時やけがをした愛犬の外出にもドッグカート。
暑さ、寒さ対策が容易で、オールシーズン快適に愛犬と外出できるのはカート最大のメリットです。
一方で、公共交通機関によっては、持ち込みサイズ制限がかかることも。遠出の際は、車での移動に限られるケースがほとんどです。
5. 小型犬用クレート
クレート最大の特徴はその強固な守りと、マルチに活躍できる多様性です。
5-1. 小型犬用クレートの特徴・利点
がっちり囲まれたクレートは愛犬にも安心感を与え、キャリーバッグとして愛犬を目的地まで安全に移動する手段として利用できる一方で、普段からハウスとしても使用できる耐久性の高いモデルもたくさん存在します。
クレートの利点
◯耐久性
ハウスとして24時間利用可能な耐久性を備えており、強化プラスチックでできた本体は四方が囲まれ、愛犬がリラックスできる環境を作ります。
◯プライバシーの確保
左右が壁、さらに天井も硬いプラスチックで守られているクレートはハウスとしてのプライバシーが保たれるだけではなく、移動時には外の様子を気にすることなく過ごすことのできる小部屋としてリラックスできる場所になります。
◯安全性
公共交通機関を使用する移動時のペットキャリーとして、車で移動する際のコンパートメントとして、クレートはその牽牛性から安全に愛犬を保護することができます。
一方、専用のカバーで中に犬がいることを感じさせないクレートは、他人から見ても飼い主さんの気遣いを感じるキャリーバッグです。
◯メンテナンス性
強化プラスチック製のクレートは汚れを簡単に落すことができる点も特徴。他のキャリーバッグが繊維素材で構成され、付着した汚れは落ちにくい一方、全体がプラスチック素材のクレートはクリーニングも容易。定期的な清掃や、外出中の粗相で汚れても分解お掃除が楽にできます。
5-2. クレート購入時の注意点
小型犬用のクレートは、天井部分に持ち手がついていることが多く、車での移動を除き片手や両手がふさがるのはデメリット。外に持ち出す頻度が多い場合は2 Wayのクレート(例えばキャスター付き)も検討しましょう。
◯軽さ
クレートは、耐久性、安全性と引き換えに、重くなるのが難点。頻繁に持ち出す場合は、軽くて丈夫なクレート、あるいはソフトクレートも選択肢です。
◯通気性
左右がふさがれたクレートは主に前後の入り口と通気口が空気の流れです。
とはいえ、クレートはプライバシーが保たれる分、覆われた面積が大きく、内部温度が上昇しやすいといえます。空気の流れもイメージして購入しましょう。
◯コンパクト性
購入の目的が安全に移動するためのキャリーバッグであれば、収納時のスペースも気になりますよね。分解したときのコンパクト性も検討材料です。として検討するのであれば機能性は確認しましょう。給水ボトル用のホルダーや給水トレーはあるか、飼い主様向けといえます。
5-3. クレートの活躍シーン
クレートは家の中でハウスとして、外でキャリーバッグとしてマルチに活躍。
公共交通機関では、安全に愛犬を移動させるキャリーバッグとして、電車、バスが利用できます。IATAの基準を満たしたモデルなら飛行機での移動も可能になります。(規則が各交通機関によってまちまちなので、利用する前に必ず確認してくださいね。特に大きめのクレートは要注意です)
動物病院の待合室など緊張する場面では、愛犬が落ち着いて過ごすことができる小部屋の役割も果たします。
クレートは、最も安全性が高いキャリーには間違いありませんが、必ず片手がふさがります。
長距離を徒歩で移動するときには、両手が空くショルダーバッグやスリングがより適したキャリーです。
6. まとめ
さて、皆さんは、どのタイプをキャリーバッグとして選びますか?
小型犬を移動する時に使用されるペットキャリーにはさまざまなタイプがあることがお判りいただけましたよね。各キャリーには、メリットやデメリットがあるからこそ、目的に合わせて使いこなす必要があるといえますね。