猫を飼い始めたばかりの飼い主さんにとって、猫のトイレしつけは重要課題。一方で、飼い始めてしばらく経つのになかなかトイレを覚えてくれないという悩みを抱えた経験者もいることでしょう。
この記事では、猫のトイレしつけに悩む飼い主さん向けに、効果的なアプローチと実践的なアドバイスを紹介します。
初めて猫を飼う飼い主さんには、トイレの選び方や配置、トイレの導入とトレーニングについての基本的な要素を詳しく解説します。さらに、飼い始めてしばらく経つがトイレを覚えてくれない飼い主さんには、問題解決と注意点に焦点を当て、病気やストレスが原因となっている可能性も考慮した具体的な対策を提案します。
猫のトイレしつけは、室内飼いをする上で非常に重要な要素です。猫が適切な場所で排泄することは、飼い主との共存を円滑にするために欠かせません。以下に、猫のトイレしつけに関するいくつかの重要な項目を紹介します。
1. トイレの選び方
猫のトイレしつけは飼い主さんと猫のコミュニケーションを深める大切な一環です。しつけには忍耐と理解が必要ですが、正しいアプローチと適切なケアを行うことで、トイレトラブルを解消し、猫との快適な共存を実現できます。ステップバイステップで理解できるように猫トイレの選び方から入ります。
1-1. 猫トイレのサイズ
子猫から飼い始めるなら、まずは、ふちの低い子猫用トイレを準備しましょう。
トイレのトレーニング中は、トイレにアクセスがしやすいことが短時間で覚える秘訣です。
最初から成猫用のトイレを使用しても良いですが、その場合は、入り口にステップを置くなど入りやすいようにしてあげましょう。いずれにしても、最初はケージの中で生活しますので猫トイレも小さいものが便利。猫が快適に使える広さと深さのトイレを選びましょう。
成猫を迎える場合は、言うまでもなく、標準サイズの猫トイレが砂も飛びにくくおすすめです。
1-2. 猫トイレの形状
猫トイレを選ぶときには、屋根付きでトイレがカバーされたもの(ドーム型とも呼ばれます)と、カバーがないオープンタイプ2つの形状があります。それぞれ一長一短があるので好みやライフスタイルによって選んでくださいね。
・屋根付きドーム型猫トイレの長所と短所
長所:
猫のトイレ中のプライバシーが確保され、用を足した後、砂を掛けたときに飛び散りが少ないので、部屋をきれいに維持することができます。
短所:
大きな猫にとって屋根が邪魔に感じられること、オープンタイプに比較して通気性が劣りますので、猫トイレの中に臭いがこもりやすいのは要注意です。
・屋根なしオープンタイプ猫トイレの長所と短所
長所:
猫トイレでもオープン(カバー無し)タイプは広々としていますのでゆったり用を足すことができます。通気性があるだけではなく、飼い主さんにとってもトイレ内の環境を把握しやすいので、健康管理がしやすいことも長所と言えるでしょう。
短所:
一方、カバーがない分、周囲に砂が飛びやすい構造と言えます。当然ニオイも部屋に拡散しやすい点が欠点です。(これをトイレ掃除のサインとすれば、猫トイレを衛生的に保つうえで役立つかもしれませんね)
これから飼う方が参考になればと思います。
1-3. 猫トイレの設置場所
トイレを置く場所も重要です。静かでプライバシーが保たれる場所を選びましょう。
猫が日常的にいる場所から遠すぎず、猫が簡単にアクセスできる場所、飼い主さんも目の届く場所がベストポジションです。
1-4.トイレの清潔さ
猫は清潔好き。猫トイレは常にきれいにしておくことが鉄則です。
毎日の掃除、定期的な砂の入れ替えやトイレ全体の洗浄はトイレを清潔に保ち猫が躊躇なく使えるコンディションをキープするために不可欠な作業です。
猫がトイレを嫌がる原因となる臭いを抑えるために、適切な対策も講じるのも一案です。
猫のトイレしつけでも、飼い始めたばかりのケースと、飼い始めてしばらく経ってもトイレを覚えてくれない猫のケースでは、しつけのアプローチには違いがあります。次の章では、それぞれのケースに応じたしつけについて説明します。
2. 飼い始めたばかりの猫へのトイレトレーニング
飼い始めの猫にトイレをしつける場合、まずトイレの場所を教えるために、狭いスペース内にトイレを設置します。
移動が制限された生活圏内にトイレがあることは、猫にとっても迷わずに行けること、トイレも認識しやすくなることからしつけが短期間で終わります。
子猫を迎えた場合、粗相や誤飲誤食対策でケージの中で飼う方も多く、トイレもケージの中に設置してケージの中でトイレを覚えさせるのが一般的です。ケージから出すのは、飼い主さん在宅中のみ。ケージの外に離す場合も目を離さず、休憩するときはケージに戻すようにしましょう。
子猫は、トイレのしつけが終わる前でも、飼い主さんと遊ぶ時間を楽しみにしています。粗相の習慣が治らないうちにケージの外て遊ぶ場合、子猫が発するトイレのサインを見逃さないように。
なにより、大人猫(成猫)を迎えた場合もトイレを覚えるまではケージが安心です。この場合は、大人用のトイレをケージに入れてトイレトレーニングし、トイレの感覚と臭いを覚えさせましょう。
3. 飼い始めて暫く経ってもトイレを覚えない猫へのトイレトレーニング
猫を飼い始めてしばらく経つのに、なかなかトイレを覚えてくれない猫の場合、原因を考える必要があります。
原因は一つひとつチェックしていく必要がありますので、まずは、トイレの環境を再確認しましょう。トイレの配置や清潔さを再チェックします。
猫のトイレの設置場所と同時に、入り口の向きも含めて変えてみます。前章でも説明した通り、よりアクセスしやすい場所、アクセスしやすい向きにしてみてください。通気性も重要です!
続いてトイレの衛生状態を確認!トイレ掃除の頻度を増やすこともトイレを覚えてくれない猫に有効なことがあります。
デリケートな猫の中には、排泄物の残った場所でしないケースもあります。特に、柔らかな毛布や布団で粗相を繰り返す場合は、不衛生な猫トイレになっていることが多いので、一度確認してくださいね。
猫トイレを大きめサイズに変更するのも猫のトイレ環境改善にプラスです。猫にとっては、きれいな場所を見つけて用を足しやすくなりますので、特に猫の留守番時間が長めになりがちな飼い主さんにおすすめします。消臭効果の高い砂に変えて臭いをおさえれば、トイレの衛生面全体の改善につながります。
いろいろ試しても、飼い主さんご自身で猫のトイレ臭残りが気になる場合、嗅覚が人より敏感な猫にはより使いにくい問題になっている可能性も。
においが取れない場合は猫トイレの買い替えも検討しましょう。悩んでいる間に粗相されたりすると手間も増えるし、面倒です。
4. 猫が排泄をする場所を特定してしまった場合
猫は、嗅覚が敏感です。一度粗相をして臭いがその場所に残っていると、猫はその場所をトイレと勘違いしてまた同じ場所で粗相することがあります。
まずはきれいにニオイを取るのが最優先。しばらくその場所に猫が近づけないように物理的な対策、たとえば、周りに障害物を配置する、など対策を講じれば、二重防御になります。
その間にできるだけトイレ環境を改善すること。少しかわいそうですが、留守中はケージの中で過ごさせるようにしてしっかりトイレを覚えてもらいましょう。
ストレスが原因による粗相も
トイレに慣れたにもかかわらず猫をケージの外に出したら、見てない時に粗相するようになった場合、ほかの原因も考えます。
まず考えられるのは、飼い主さんの気を引きたいために粗相をするケース。特に、粗相のあと飼い主さんが機嫌取りで猫にかまうようになると、「粗相する=遊んでもらえる」と関連付けされ、粗相を繰り返すパターンです。
猫の習性として狩猟本能が備わっています。ですので、獲物を追いかけるような猫じゃらしで飼い主さんと遊びたがる子がほとんどです。
解決策は、普段の生活で一緒に遊ぶ時間を増やし、猫の運動不足からくるストレスを減らすこと。そのうえで、トイレ環境の見直しを行ってみることをおすすめします。
粗相したら、臭いが残らないように拭き取り、拭き取ったおしっこ臭付きペーパータオルは猫と一緒にトイレに運びましょう。トイレの場所を猫に再認識させるようにします。
5. 猫へのトイレしつけ中に生じる注意点
猫は、犬と比較してトイレを覚えやすいといわれます。
とはいえ、粗相された経験のある飼い主は、猫のおしっこの臭いの強烈さも熟知しており、苦笑、所定の場所で用を足してほしいという切実な願いがありますよね。無理やりトイレに連れて行こうとすると噛まれることもありますし、しつけ中は根気もいります。
そんな中、万が一、猫のトイレを使わなくなったり頻度が減ったりした場合は、要注意です。
猫にトイレをしつけるためにトイレを新たに購入したら、トイレの形状や設置場所の環境を再チェック、猫トイレを移動した場合も位置や向きを確認です。
前章でも説明したとおり、猫トイレのカバー付き、カバー無しは、それぞれに長所と短所があり、猫もまたカバー付き(屋根付き)を好む場合とカバー無しの広々環境を好む場合があります。
ちょっとしたことですが、トイレの環境もトイレの使用回数に影響を与えることがありますので試してみることをおすすめします。
猫がストレスを抱えている場合や病気が原因となっている場合もトイレの回数が減ります。気づいたら、猫のトイレ使用回数が減っていた、トイレの使用パターンが変わった、といった場合、獣医師に症状をお話しして精密検査を受けることをおすすめします。猫の尿路感染症や膀胱炎などの健康上の問題が隠れている可能性が高いです。
ストレスは、様々な原因によって引き起こされますので、心当たりがないかを振り返ってみてください。
早食い防止の給餌器などによる場合は、徐々にストレスを溜めますので、飼い主さんもトイレの間隔が長くなったことに気づきにくいパターン。猫の性格によってストレスの度合いも変わりますので、日ごろからトイレの利用回数、おしっこの量、ウンチの量や色もトイレ掃除のときに気を付けて観察するようにしてくださいね。
6.まとめ
猫のトイレしつけは飼い主さんと猫のコミュニケーションを深める大切な一環です。しつけには忍耐が欠かせませんが、正しいアプローチと適切なケアを行うことで、トイレトラブルを解消し、猫との快適な生活を実現できます。
根気強く猫のトイレしつけに取り組んでくださいね。