猫の室内飼いにストレスはつきもの。誰もが一度は経験する猫のストレスにについて解説します。
猫のストレスを軽視すると思わぬ病気に発展することもあります。
猫のストレス原因を突き止めるのは簡単ではありませんが、飼い主さんの気遣いで次第で解決できることが多いもの。
猫を室内飼いするなら、最初からストレスはつきものと考え、猫のストレス解消についても知っておくと猫と安心して生活できるようになりますよね。
1. 猫がストレスになる環境とは
猫は好奇心旺盛。本来、猫は外で自由に動き回る動物ですので、室内飼いをする時点で、猫がストレスを抱える要因になるといえます。
ほとんどの猫は、人と生活する中で室内飼いにも慣れるので、ストレスではなくなります。とはいえ、我慢の限界を超える猫がストレスを抱えるようになります。
1-1. 急激な住環境の変化
猫は引っ越しでストレスになることを聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
急激な住環境の変化について行けない猫は、新しい家具やカーペットなどが敷かれると今までのにおいが消えてしまい、居場所を求めて戸惑う傾向があります。
新しい家具を購入して部屋の模様替えをしても猫はストレスに。新しい環境に慣れるのが遅い猫は、爪とぎの場所が変わる(なくなる)、休む場所が変わる(なくなる)といったケースも当てはまります。
1-2. フードボウルやトイレへのアクセス問題
前項の環境の変化に関わることもありますが、食事の場所を頻繁に変更したり、トイレの場所や、いつもの猫砂を急に変えるとストレスになりがちです。
食事環境やトイレ環境を変えるときには、少しずつ場所を移動したり徐々に変えていくことで猫のストレス防止になりますよ。
後述しますが、特に愛猫のダイエット用食器を実践している飼い主さんは要注意です。
言うまでもありませんが、多頭飼いの場合、猫一匹つきフードボウル一つを準備することも忘れずに。
1-3. 不規則な生活習慣
食事に時間が変わる、飼い主の帰宅時間が日によってバラバラになる、一緒に遊んでいたことが、急に飼い主の事情でやめてしまう、なども猫のストレス原因。
猫を完全に室内飼いした際ストレスになる原因は、食料難からのケースがほとんど。
特にフードは飼い主さん頼りなので、飼い主さんのいない時間が長くなれば食事の心配をしますし、食事の時間が極端ズレても、もらえるまでは不安でいっぱいに。不安がストレスを引き起こします。
遊び時間は決めなくても問題ありませんが、昼間留守にする飼い主さんも、家に居る時間に遊んであげるとストレス軽減になります。
家猫なかには夜中に家中を走り回るケースも。猫の夜の運動会は、運動不足やストレスから。走ることで、ストレスを解消しているといわれます。
1-4. 不安や心配事の増大
急に見知らぬ人が頻繁に訪れる、猫を多頭飼いすると先住猫がストレスを抱えると言われます。猫に限らず犬の場合も同様で、新入りペットを迎えると、猫は不安が増すのです。4番目のパターンはわかりやすいので、解決方法も見つけやすいですよね。
例えば隠れる場所を作ってあげることは身を守るために必要なこと。1匹目はすぐに迎えても問題ありませんが、先住ペットがいる2匹目の犬猫を飼い始めるときには、お試し期間を経て、先住猫とストレスが生じないか相性を確認してから飼い始めるのが鉄則です。
2. 猫のストレスサイン
猫は、体調や仕草にストレスサインとして表れます。それぞれ典型的な特徴をリストアップしました。
2-1. ストレスを感じる猫のサインや 体調の変化
・猫の毛が抜けるストレス
・艶がなくなりパサパサした感じになる
・人目を避けるように隠れる
・食欲がなく水も飲まない
・腹這いになってうずくまりながら歩く
・吐血や嘔吐・下痢症状
・元気がない
2-2. 猫のストレスサイン 行動・仕草の変化
・急にガブリと噛みつく
・紙を噛みちぎる
・いつもの遊びに無反応になる
・飼い主に対して攻撃的になる
・鳴きやまない
・部屋をわざと汚す
・隠れる
猫が片目をつぶる場合もストレスのケースがあります。
ストレスによってからだの様々な部分で起こる変化のひとつと言われます。
とはいえ、この場合、本当に結膜炎や目の病気を抱えていることもあります。
大切なのは、いつもと違った表情や仕草に気づいたら早めに対処。気になればかかりつけの獣医さんに診てもらってくださいね。
ストレスは、トイレの使用回数、排せつの量にも影響を及ぼします。
猫の様子を毎日観察している飼い主なら、猫のストレスサインに気づきます。気になる体調の変化や仕草がありましたか。
猫のストレスは、飼い主が気づかないうちに蓄積されていくケースがほとんどです。
飼い主の接し方や住環境の見直しは、猫のストレス解消やストレス緩和につながることが多いので、上記の症状が表れたらストレスを疑い早めに対応しましょう。
3. 家庭内不和も飼い猫ストレスの原因かも?!
猫は環境の変化や家庭内の不安定さにも敏感に反応。家庭の変化と猫のストレスは緊密な相関関係にあり、空気を察しやすい猫は影響をダイレクトに受けやすいといわれます。
家庭内不和は、人間関係の安定性が揺らいでいることにほかなりません。
記事の前半で説明した通り、猫は落ち着いた環境を好むため、家庭内の安定性が揺らぐと、猫は不安感を抱きストレスに。
突発的な夫婦げんかが頻発すれば、度重なる大きな声や緊張感から生活環境に変化が生じ不安が増大します。同時に、飼い主さんご自身の感情に注意が向いてしまい、猫をないがしろにしがちになるのも飼い猫ストレスの原因です。
日常茶飯事のように子供の兄弟げんかしたり、突然、親が子供を大声で叱ることも飼い猫に不安感をあおる一因になるので、注意してくださいね。
まず、物理的な対策前に、家庭円満の日々を送ることこそ猫がストレスフリーになる土台になります。
4. 猫のストレス解消法
とはいえ、荒れた毎日とは無縁の円満家庭の場合は、物理的な対策を検討しなければなりませんね。
引っ越しや自宅のリノベーションなど急激な環境の変化でも適応能力が高い猫は、直ぐに落ち着いて生活できます。一方で、飼い主が猫と一緒に住むために準備した住環境に長期間慣れることができずストレスを溜める場合の2通りのケースがあります。
猫が少しずつストレスを溜め続けても、飼い主さんが気づかずにいると、いつの間にか精神的にダメージを受け、重症化すると免疫機能まで影響を及ぼすことがあります。
猫のストレスは猫の不機嫌が積み重なって始まることもありますので軽視しないでくださいね。
猫がストレスをため込まないためには、飼い猫が室内で暮らすために必要な道具が揃っていること。
さらに、その道具が飼い猫にとって快適かどうか、形状だけではなく、設置場所も猫のストレスになっていないか確認しましょう。
特に、野良猫を室内飼いするとストレスが表れます。野良猫を保護した場合は、初期対応が大切になります。
土のにおいが消え、トイレの場所も限られ、行動が制限されるされる野良猫にとって、人工的でも上下運動ができる猫タワーを設置したり、自然の風を感じられるように窓を解放するなど以前の生活環境に近づけることがストレスフリーの第一歩です。
いうまでもなく、ベランダの引き戸や窓を開ける場合、網戸など、脱走防止策は万全を期してくださいね。
4-1. 猫ケージのストレスを解消
子猫から飼い始める場合は、猫にとってケージでの生活環境は一般的です。
一方、成猫を保護センターから譲り受けたり、元野良猫だった猫を室内でケージ飼いすればストレスになるのは当然かもしれません。
猫が室内飼いでストレスなく暮らせるようになるためには、ケージの中でもストレスなく生活できるのがベスト。
飼い主にとっては、室内飼いねこの初期対応としてケージ内での食事やトイレが望ましい方法です。
とはいえ、猫にとっては、自分の匂いも付いてない慣れない里親の元、新しい環境下のケージは猫にとってストレスなのは容易に想像できます。
できれば、飼い主が在宅中は、猫にストレスが溜まらないように猫をケージの外に出してあげましょう。
ただし、安易に外に出して誤飲・誤食をしたり、粗相されたりしないように、ふだんから行動を観察してくださいね。
ケージの外に出れば、猫も広いスペースでリラックスすることができますし、ストレス解消につながります。
さらに言えば、猫がケージでため込んだストレスを発散させるために猫と一緒に遊ぶこともおすすめです。
4-2. 猫がトイレに行かなくなるストレスサインを解消
・清潔なトイレ環境をキープ
猫の室内飼いで大切なポイントのひとつがトイレ環境です。
猫がトイレに行かないことでストレスと判断できる場合も。
例えば、猫のトイレが汚いために使うのを躊躇しストレスの原因になります。猫の膀胱炎はトイレが汚い、慣れないなどトイレをしないことで症状として現れます。
きれい好きな猫にとってニオイや汚れは、禁物なので、トイレを使った形跡があれば、すぐに始末するようにしましょう。
猫トイレは買い替えも少なく、一旦設置すると滅多に場所を変えません。
トイレ環境でストレスを溜めこんだ猫は、日々の食事やプレイタイムで一時的に機嫌を回復しても、根本的なストレス解消法にはなりません。高がトイレと思わずに清潔なトイレをキープすることを心掛けるようにしてくださいね。
猫には突発性の膀胱炎と細菌性の膀胱炎の2種類があり、猫のストレス性膀胱炎は、突発性に属する、まぎれのない疾病のひとつです。
猫トイレをきれいに保つことは最重要ですが、それ以外にも検討するポイントが3つあります。形状、サイズ、設置場所です。
・猫トイレの形状を見直す
トイレには、屋根がないオープンタイプと屋根付きドームタイプのトイレがありますよね。
外猫の場合は、周りが安全である場所をトイレとして使っています。
確かに野良猫は、茂みに身を潜めて用を足しますので、屋根付きトイレは理にかなっている気がしますが、必ずしも猫が屋根付きドーム型トイレを好むわけではありません。
草むらや茂みなどは、身を潜めても猫は周りを見渡すことができますが、ドーム型は全く周りが見えない環境。
周りを遮断されて見渡すことができない環境が猫にストレスや不安を与える場合もあるのです。
とはいえ、飼い始めの時から猫の好みを見分けることはできません。
今使用しているトイレの形状を変更したい場合、屋根を外したり、周りを囲うことでプライバシーレベルを調整することをおすすめします。
猫トイレの買い替えを検討しているのであれば、屋根付き、取り外し可のタイプ、もしくは、屋根なしのオープンタイプがおすすめです。
・猫トイレのサイズを見直す
もう一つ重要なのは、サイズです。子猫の時に買った子猫用トイレを使い続けていませんか?
あるいは、ケージに入れるために小さめのトイレを購入したままになっていませんか?
猫トイレは、猫が用を足した後にトイレの外に出なくても砂掻きができる大きさが必要です。
猫が快適にトイレを使うには、長さが体長(鼻先からしっぽの付け根)より長く、幅はからだの幅の1.5倍より広いサイズが理想と言われます。
狭い猫トイレは、ほかに用を足す選択肢がない室内飼いの場合にとってストレスです。
猫のストレスを解消するためにも、大きいトイレに買い替えてあげましょう。理想は、ぐるっと回ってベストポジションが選択できる広さです。猫トイレに大きすぎるというサイズはありません。
・猫トイレの設置場所を見直す
猫トイレの設置場所もストレスに関わる重要なポイントです。
猫は落ち着ける場所で用を足したいので、猫トイレは人の行き来が少ない所に置いてあげること。メインルームでも、通り道から外れた所、人が頻繁に利用しない洗面所なども置き場所としては良いかもしれません。
玄関近くは脱走の危険性もありますのでおすすめではありません。
また、猫がトイレに入っている間は、なるべくそっとしてあげることが飼い猫にストレスを溜めさせない心遣いです。
猫がトイレに行かないようになったと思ったらストレスを感じていると思ってください。
きれいにしているのに使わないのは、トイレの場所を認識してないことも原因かもしれません。
トイレを入れ替えたときには、自分の排せつ物のにおいがついた猫砂を混ぜてあげることで猫がトイレを認識しやすくなります。
もちろん、猫トイレは、普段過ごしている場所から遠くない場所に設置してあげましょう。
4-3. 猫の食事環境のストレスを解消する
飼い主の家族が給餌しなければ、餌にありつけないのが完全室内飼いの猫です。
室内飼い猫の餌は100%飼い主さん任せになりますが、食事量については甘くなり運動不足とも重なって肥満気味になる傾向があります。
・早食い防止用の食器でストレスにならないようにする
そのような状況で、肥満防止、早食い防止のため「早食い防止用」のフードボウルを使用する飼い主さんもいますが、一方で猫がストレスを抱える要素をはらんでいますので、注意が必要です。
キャットフードの出が悪かったり、食べにくい物を使い続けると、センシティブな猫はストレスに感じます。
お腹がすいている猫は、毎回残さず食べきりますので、飼い主は気づかずにスルーしがちですが、猫はストレスでおしっこの量が減ることがあります。
いつの間にかオシッコの量が減った、以前のように猫がトイレに行かないようになったなど、早食い防止食器を使用してから、猫にストレスが出ていないかを必ず確認してください。
例えば、容器に入れた最後の一粒が外に出ないと、猫はイライラが溜まり毎度のことなら当然ストレスになります。
フードディスペンサーを使用する場合は、粒の形状を変えたり、ディスペンサー側の出やすさが調整できるものに替えるなど、猫のストレス解消に努めること。
、、、ということに気づくのが遅れて膀胱炎になりかけたというケースが知り合いの飼い主さんにいました。猫が太り気味だったので、スローダウンさせるためのフードディスペンサーを利用して脳が満腹サインを出しやすくするようにしたかった、とのこと。
お皿からの給餌に戻したらトイレも以前と同じように戻ったということで、良かったです。
トイレの回数が減った原因に容器の中に仕込むディスペンサータイプを使っている場合、お皿タイプの早食い防止食器に替える方法を検討するのも一案です。
5. 猫のストレスに効果的なケア
刺激的な環境を体感する外猫と比較して、楽しみを見つけることが限られてくる完全室内飼いの猫は、ストレス発散する機会が限られてきます。
また、野良猫のように餌場から半径200メートルをパトロールし刺激的な生活を送る野良猫に比較すると、室内飼い猫は、格段に狭いエリアが生活圏ですので、何らかのストレスを背負うのも想像に難くないですよね。
そのような家猫にとって、飼い主と遊ぶ時間はストレス発散タイムです。
欲求不満はストレスの原因。
野良猫を室内飼いにする場合は言うまでもなく、子猫も狩猟本能のDNAが備わっています。
家にいるときには、なるべく猫と遊ぶ時間を確保してあげてくださいね。
5-1. 猫の運動量を確保
飼い猫は完全室内飼いですか?それとも半ノラ・外飼いですか?
猫の運動不足はストレスの原因です。猫が完全室内飼いなら、十分な運動量を確保しなければなりません。
猫のストレス解消に必要な運動時間は毎日20分~30分。にゃん達が、夜の運動会をはじめないように、運動できる環境を作ってあげましょう。
室内飼いの猫の場合、広いスペースと上下運動ができるキャットタワーや高さのある猫家具は猫のストレス解消に有効なアイテム。
特に、1Kやワンルームなどにお住いの飼い主さんで広さが確保できない場合は、高さで猫の運動量を稼ぐのもひとつのアイデアです。
また、猫タワーのように高い所で落ち着くことが猫のリラックス方法のひとつ。見晴らしの良い場所で誰にも邪魔されずにお昼寝する環境にもなりますね。
広いスペースは室内飼いの猫にとっても好ましい住環境ですが、運動は狭くても可能なのです。
例えば、遊びの中でソファーやテーブルを上手く利用すれば、家具は猫にとって身を潜める格好の場所。
飼い主は遊びに家具を利用することで、陰から獲物を狙う狩猟本能の習性を引き出せるので、猫のストレス解消になります。
運動スペースの大小に関わらず猫とインタラクティブに遊ぶことで、室内飼いにありがちなストレス解消に役立てることができます。
猫が近づいて座った時、手を出したら急に甘噛みされることがありますか。
猫の運動不足からくるストレスサインだった可能性があります。
猫は、遊んでもらえるのを待っているので、おやつやご飯は最適なストレス解消方法ではありません。
一緒に遊ぶことでストレスを発散する必要がありますし、むしろ、猫は遊んであげないとストレスになると思って接してくださいね。
5-2. 猫が落ち着ける場所を確保
小さいときから頻繁に来客のある家庭で育った猫の場合、人見知りすることは稀です。
一方、一人暮らしや滅多に訪問客がない環境で育った猫にとって、見知らぬ人は勝手に自分のテリトリーに入ってきた侵入者。警戒が続けば猫もストレスが溜まります。
猫にとって突然の来客で抱えるストレス解消法として飼い主ができることは、不審者から身を守ることができる隠れ処を作ってあげることです。
猫は、元来一匹で生活をする動物なので、自分の身は自分で守るためにも、不審者が表れたときに身をひそめる場所が必要なのです。
クローゼットを10センチ開ける、ベッドの下に隠れ処を作る、押入れの天袋への逃げ道を作るなど、飼い主がちょっとした工夫で猫のストレスを解消できる方法がたくさんあります。
猫を室内飼いするときには、運動できる場所を確すると同時に、落ち着くことができる場所を確保して猫がストレスを溜めない住環境にしてくださいね。
5-3. 付かづ離れずの距離感を大切にする
猫の性格を表すのに「ツンデレ」という言葉がありますよね。
放っておいてほしいときは、飼い主が、遊ぶ気満々でも猫はそっけない態度になります。
猫は、遊んであげないとストレスになることは間違いないのですが、気分が乗らないうちは「Leave me alone」の心境です。
猫と遊んであげることでストレスになりかねませんので、付かず離れずの距離感を大切にしてくださいね。
5-4. 獣臭を取り除く
飼い猫を抱っこしようとしたら逃げられたことがありますか。
もしかしたら、ご自身に付いていたほかの動物臭が原因で嫌がっていた可能性があります。その日、
・道でお散歩中の犬を撫でた
・知人の家で犬を触ってきた、猫を抱いてきた
・動物園に行ってきた
・公園で生き動物とふれあい体験をした
その他、動物と接する機会があったとすれば、獣のにおいが服やからだについて飼い猫がストレスになったことは間違いありません。
猫の嗅覚は超敏感です。
猫は、飼い主が気づかなくても生まれながら野生のにおいを嗅ぎ分ける能力があり、不審な臭いは猫にとってストレス以外の何物でもありません。
飼い主に寄り付かないのは、目に見えない敵や不審者を感じているためです。
友人・知人宅で動物を触ってきたら、帰宅後にすぐに手を洗い、服はすみやかに着替えるようにしましょう。
5-5. 猫の健康維持
猫は環境に慣れようと苦しむ日が続いていても、態度を表に出しません。
同じ環境で生活していると、猫のストレスに気づきにくく、飼い主が気づいた時には精神的に深手を追っていたり、ストレスが原因で病弱になっていることもあります。
そんな猫が健康でいるために必要なのは健康管理。
年一回の定期健診だけではなく、健康不安を感じたら早めにかかりつけの獣医さんを受診し、猫の健康状態を確認しましょう。
飼い主が単なるストレスだと認識していたことが、健康診断によって病気だったりすることもあります。
ストレスでおしっこが出なくなるのはその最たる例。
若い時でも年1回、シニアになったら少なくとも年2回の健康診断ですよ。
既に処方箋のいくつかについては対応している、という飼い主さんもいると思いますが、猫のストレスは複雑です。
猫のストレスの原因は、運動量にあることが多いです。
住まいの中で自由な運動スペースが確保できない場合、部屋の端から端までボールを使って遊んだり、廊下も利用して遊ぶなど、運動の「量」を上げる工夫をすることで猫のストレス解消に努めましょう。
6. 猫の機嫌を表情や仕草から判断しよう
6-1. 猫のひげで機嫌を判断
猫のストレス状態は顔を見ても確認できることがあります。
機嫌がいい猫ひげは、だら~んと垂れ下がり、力が抜けたようにリラックスしていることが分かります。
一方、ストレスを抱えた猫、警戒している猫のひげは前方に突き出てピーンと張った状態です。
普段から観察していると表情の違いは一目瞭然。猫ひげの状態を見て、その時々の猫の機嫌を観察してみてください。
6-2. 猫のしっぽで機嫌を判断
もっともポピュラーで分かりやすい仕草は、しっぽですよね。
猫のしっぽが垂直に上を向いている時、猫のご機嫌が良いときと言われます。
そのほか、飼い主の足にしっぽを巻きつけてくるときは、猫がしっぽで飼い主に機嫌を取るとき。
飼い主にかまってほしいときに出る仕草なので、一緒に遊んであげれば間違いありません。
稀に、お腹が空いているときにも同じようなしぐさを見せることがあります。
早めの給餌タイムにするときは、量の調整を忘れずに。
機嫌を取り戻すこととストレス開放は違う
エリザベスカラーやペットホテルでのお留守番、爪切りなど、一時的なストレス状態にある場合は、猫の機嫌は、ほどなく回復しますので、それほど心配はいりません。
一方、猫の機嫌、不機嫌といった一時的なものとは異なり、猫が慢性的なストレスに陥っている場合、根本的な原因が解決されないと、ストレスは引きずったままです。
猫が機嫌を取り戻してもストレスから開放されたとは言えません。
猫の脱毛や便秘、抜け毛の原因が食べにくい食事環境からくるストレスが原因だとしたら、キャットフードを変えても、トイレをきれいにしても解決策しませんよね。
猫のストレスは、小さなストレスが積み重なって大きくなるストレスも多いため、原因をピンポイントで突き止めることは難しいです。
まずは、猫のストレス解消の処方せんとして、一つひとつ潰して、ストレスフリーの住環境にしてあげましょう。
7. まとめ
猫が長期間のストレスや不機嫌・鬱状態が続くと、精神的なダメージに留まらず肉体的にもダメージを与えます。
猫のストレスは、複合的な要因から来ることが多いので、まずは住環境を見直しし、ご自身の猫の接し方に問題がなかったか振り返ってみてはいかがでしょうか。
猫は、群れを成さずに単独生活をしていた動物なので、飼い主が世話をし過ぎても猫はストレスになることも忘れずに。
それでも猫の体調が回復しない場合、ストレスとは別の原因も考えられます。病気の可能性もありますので、獣医さんに診てもらい原因を突き止めてもらいましょう。