猫が新しいベッドを購入しても使わない場合、どのように解決すべきでしょうか。猫は気分屋。無理やり新しいベッドに連れて行っても強制されたら、頑として!使わないのが一般的です。猫が新しいベッドを購入しても使わないケースの解決策は、自然に気に入ってもらえる仕掛けにあるといえます。
すでに購入してしまった猫ベッドのサイズや素材は、変えたくても変えられませんよね。
この記事では、ドーム型ベッドも含めて、今ある猫ベッドを使ってくれない、慣れてもらえず買いなおすべきか悩んでいる飼い主さんや、すでに購入済みの猫用ベッドを使わせるための解決策を模索している飼い主さん向けに、「猫ベッドに入らない問題」を解決する方法を説明します。お手入れ方法も現在のやり方とあっているかも含め参考にしてみてくださいね。
1. 猫がベッドを使わない場合の8つの解決策
相談を受けたケースで多かったのが、愛猫がドーム型ベッドに入らないという問題です。
まず最初に、キャットハウスと呼ばれる猫にドーム型ベッドを使わせる解決方法から説明し、続いて、一般の猫ベッドやクッションを使わない問題の解決方法を解説します。
1-1. ドーム型ベッドに誘導する方法
編集部の周りでも、猫がドーム型ベッドに入らないという話は、よく耳にします。
ウェブでも、ドームに入って休んでいる写真をよく見ますので、愛猫にもドーム型キャットハウスを使ってほしいと感じる飼い主さんもいますよね。
何が違うのか考えたときに導いた回答が、安心できる場所になっているか、ということ。自宅のドーム型ベッドもこの条件に当てはまるかを考えてみましょう。
猫が好む場所は、高い所や隠れることができる場所です。
飼い主が手を伸ばしても届かないようなキャットウォークがあれば、そこで落ち着いて休みます。
押入れやクローゼット開いていると、そこに隠れて落ち着く猫を見たことがある飼い主も多いのではないでしょうか。
猫がドーム型ベッドに入らない理由のひとつは、見かけ上落ち着きそうでも、猫の感覚では「袋の鼠」状態になっている場所なのかもしれません。
キャットハウスを使わないのも同じような理由が考えられます。
ドーム型ベッドは構造上安心できる要素を備えていますが、猫にとっては環境も重要です。
猫にドーム型ベッドを使わせるためには、場所と向きも重視する必要があります。
猫が休むときには、プライバシーを重視します。ですので、プライバシーを確保して猫にドーム型ベッドを使わせる方法を順に説明します。
・ステップ1
ドーム型ベッドを購入したら、ドームの入り口を壁やベランダ側に向けておいてみてください。ドームベッドの入り口と壁(ベランダ)の隙間は猫一匹が通れる程度
・ステップ2
ベッドを置いたらその近くで食事させる。でも、近づけ過ぎると警戒するので適度に離れた場所(回遊できる距離感)で。
・ステップ3
一度決めたら、数日は我慢する。猫は、毎日動くような場所では休みません。猫が休むのは、キャットタワー、押し入れ、お気に入りで滅多に動かさないクッションなどです。
・ステップ4
1週間様子を見て使わなかったら場所を変える。その際、ドームの入り口は、常に部屋の外向きですよ。
猫がドーム型ベッドを使わない理由が分からないと悩んでいるであれば、まず向きを確認!飼い主さんも休んでいるところを邪魔しないように、距離を置いてみてくださいね。
これで猫がドーム型ベッドに入らない問題は解決すると思いますが、、、。
猫がドーム型ベッドに入らない時の解決策1:
猫がベッドに入らない最大の理由は、落ち着くことができないこと。
ドーム型のベッドは落ち着ける構造になっていますが、向きや設置場所など、猫が休んでいる間は視界に入らない環境にする必要があります。
猫ベッドに接近しない心配りも忘れずに。
それでもなかなか思うようにいかない場合、続いて説明する新しく購入した一般の猫ベッド、クッションを使わせる方法で説明する方法を試してみてください。
新しいベッドを購入しても使わない時の最初のキーワードが「におい」です。
解決策を一つひとつ順に説明します。
1-2. 風に当てる
ペット全般に言えることですが、猫もまた、嗅覚に優れた動物。においが居心地を左右する場合もあります。
特に海外からの輸入品は、工場出荷から日本の倉庫到着までの輸送期間が長く、貨物用コンテナに密閉状態となり、製品にもニオイがこもりがちです。
染料や工場出荷時のニオイがついているケースも多く、開封すると明らかに臭いがする製品もありますよね。
嗅覚が鋭い猫は、私たちが気に留めないような僅かな臭いも敏感に感じ取るのかもしれません。
猫が新しいベッドを使わない理由は、微量なケミカル臭の可能性もあります。
製品によっては、注意書きに「ニオイが気になる場合は風に当てて下さい。」と記載された製品もあります。
ケミカル臭を除去する方法は、風に当てること。お天気の良い日に外に干し、風に当てましょう。
猫がベッドを使わない時の解決策2:
カバーが取り外せる仕様であれば、カバーを取り外して、ベッド本体、カバーをそれぞれ風に当てる。風に2日間ぐらいは当てたほうが良い。
1-3. 丸洗いする
もし、猫ベッドが洗濯可能なら、洗濯機でも手洗いでも良いので、丸洗いをおすすめします。
丸洗いすることによって、風を当てただけでは取りきれない塵や埃、繊維くず、製造過程で利用した糊やオイルを除去することができます。
買ったばかりの新品の猫用のベッドやクッションを洗うのはもったいないと考える人もいますが、ニオイ除去以外にも多くの利点があります。
目立った汚れがついてなくても洗うことをおすすめします。(カバーが外せるなら、カバーだけでも洗う)
猫が新しいベッドを使わない時に洗濯するメリット
・工場出荷時のニオイが取れます
・繊維に付いた化学糊や油分が取り除かれ、生地がソフトになり、触り心地がアップします
・乾いた後、マテリアルの通気性がアップし、クッション内部まで空気が行きわたり弾力性がアップ
・洗濯して乾いた猫ベッドやクッションは、天然の保温効果。居心地がアップします
普段の行動をみても、猫は、取り込んだふかふかの洗濯物に乗りたがりますよね。
これは、太陽光の温もりが残り、自然な暖かさを満喫できるという理由だけではないのです。
繊維のすき間や繊維自体に付いていた脂汗が洗い流されて空気の通りが良くなり、繊維の中までふっくら!居心地がよくなるためなのです。
猫がベッドを使わない時の解決策3:
汚れがあるなしにかかわらず、まずは丸洗いする。(手洗い可)
形を整えて風に当てて乾燥させる。乾燥機を使用しても大丈夫!
1-4. 今まで猫が使っていた寝具を活用
猫が最も安心できる匂いは、猫自身のにおいです。
例えば、猫が普段使っているブランケットや座布団といった生地には、猫自身のにおいが染みついていますよね。
普段から休みなれた寝具は、安心して休憩できた場所なので、猫にとっては、そこを離れる理由がありません。
猫がベッドを使わない場合の3番目の解決策は、今まで使っていた毛布やタオルを丸ごと移動すること。
安心できる匂いのついた寝具を新しいベッドの一部として使わせることでリラックスさせるのが猫にベッドを使わせる近道です。
実際そのようにして猫がベッドを使わないでいたのに、使い始めたというケースが多くあります。
初めて猫ベッドやソファーを買った飼い主は、ごっそり動かす敷物を探すのは大変と感じるかもしれませんが、難しく考える必要はありません。
子猫の時に段ボールに敷いていた毛布でもいいですし、ケージの中でハンモックも使えますよ。
特にケージのハンモックを外して、猫ベッドの一部として使わせると効果が出ることが多いです。
経験上、ついでに言うと、ケージの中のハンモックだけは、新しいものに交換してもすぐに使い始めます。おそらくケージの中は、過ごし慣れた場所だから気持ちの上で安心なのかもしれません。
新しく買った猫ベッドに慣れるまで、ハンモックを外して猫ベッドの一部として試すことをおすすめします。
いずれにせよ、嗅覚の敏感な猫が新品のベッドを使わない場合は、私たちが気づかないにおいで違和感がある可能性があります。
猫がベッドを使わない時の解決策4:
普段猫が座っているタオルや、新しく購入したベッドを使用する前に使っていた段ボールやクッションに敷いていた毛布やタオルケットなどを猫ベッドに敷く。
タオルを敷いてあげるときには、丸く囲いを作るようにしてあげると猫はよりリラックスできます。
猫は狭い場所を好みますので、ニャンモナイトスタイルで丸くなれる壁があるとより落ち着ける場所になるのです。
猫は、飼い主の匂いではなく、ぬくもりを好む!
世の中にはいろんな猫がいるので、断言はできません。
なかには、飼い主の匂いを好む猫もいるかもしれませんが、いままでの我家の猫を見る限り懐疑的です。(一方、犬が飼い主の匂いを好むというのはまさにその通りです!)
猫が懐くのは、飼い主の匂いではなく、飼い主のぬくもりだと考えます。
猫は、飼い主の洋服にじゃれたり、飼い主の洋服の上で休むことはありません。むしろ洗濯後の洋服やタオルに寄り付きます。笑。
飼い主の膝の上に乗ってくるのは、飼い主のぬくもりをと安心感から。飼い主のものであっても、ぬくもりのない洋服やタオルをおいても効果は期待できないと思われます。
1-5. キャットニップ・またたびの匂いを加える
「猫にまたたび」ということわざにもあるように、猫はまたたびの香りを好みます。
とはいえ、またたびの粉末を振りかけたら、粉っぽくなりますので、使うのは粉末ではありません。
代わりに、またたびのスプレーが市販されているので、猫がベッドを使わない場合は、またたびの匂いを加えることをおすすめします。
もともと、またたびスプレーは爪とぎに吹きかけ、しつけに使うこともできる優れもの。
柱を傷つけたり家具の足で爪を研ぐ癖がある猫に、購入した爪とぎの場所をしつけるときにも役立ちますので、1本常備しておくと重宝しますよ。
ただし、またたびは、中枢神経を刺激するので、器官の発達過程にある子猫に与えるのは良くないと言われています。
試す場合は、生まれて6か月は経過していることを確認してくださいね。
ちょうどいい敷物が見当たらないときには、猫が好きな自然の匂いを加えるのも手です。
猫がベッドを使わない時の解決策5:
またたびスプレーを活用して、猫にベッドを使わせるようにしつける
1-6. 窓際に猫ベッドを移動する
猫が好んで休む場所は日なたですよね。猫が陽に当たるのは、気持ちが良いから。
人間も日光浴をすると「幸せホルモン」の分泌が活発になり、リラックスできるように、猫も同じような効果を得られているようです。
猫ベッドを使わない猫が窓際で休むようなら、好きな場所にベッドを置くという方法もああります。
日当たりの良い場所に猫ベッドを置くことの効果はほかにも。
たとえば、UV効果で消毒できるのは、ご存じの通り。
それ以外に、太陽の熱はベッド内部の空気を温めて保温効果を高め、ふっくらさせるため、居心地までアップします。
窓際に移動すれば、猫も外の景色を眺めることもできますので、一石二鳥です。
猫がベッドを使わない時の解決策6:
日の当たる所に猫ベッドを移動する。
暖かい時期なら、ベランダの入り口を開けて風通しの良い環境にする。
1-7. 囲いを作る
猫は野生時代の名残りで狭いところや安全に隠れることができる穴のような場所を好む習性があります。
平らなクッションで日光浴をすることが好きな猫もいますし、身を隠すことができない平らな場所では落ち着かないため、平らなクッションを使わない猫もいます。
壁がない、低いような猫ベッドなら囲いを作ってあげましょう。
購入したベッドが今後の成長を考えて大き目サイズの猫ベッドの場合、慣れるまでは、においの付いたタオルや毛布で囲いを作ってあげるようにします。
囲いによって、ベッドに壁ができ一回り小さなスペースになるため、居心地の良いスペースに早変わりします。
経験上、あまり高い壁を作ると、猫によっては、入ること自体を警戒してしまいます。
壁は、10センチから15センチ程度、体を横たえてちょうど隠れる程度で充分です。是非お試しください。
囲いのある猫ベッドを自作する場合
まず、購入した猫ベッドと同等サイズの段ボールを準備します。
縁の高さを15cm程度にカット。カッターの切り口は、ガムテープでカバーします。
そのあと、周囲に今まで使用していた毛布を敷いてみてください。
猫がベッドを使わない時の解決策7:
体形に合わせてしっかりホールドしてくれる壁を作る。
使い慣れたタオルで囲ったり、(ちょうどいいサイズの)段ボールの中に猫ベッドを設置し、ベッドに慣れるまで段ボールの中で利用する。
1-8. これらの解決策の組み合わせで試す
猫が新しいベッドを使わない理由は、硬さに問題があるのか、形なのか、においなのか場所なのか、簡単には断定することができません。
とはいえ、フローリングや玄関のタイル、布団の上で休むことを考えれば、猫は硬さが原因でベッドを使わない可能性は低いとみています。
見えないところに原因があるとすれば、フィーリングやにおい、と言うことになります。
猫ベッドなどは一旦開封してしまうと、使用済みとみなされ、返品したくてもできませんよね。
猫がベッドを使わない場合、これらの解決策を組み合わせてみるのが大切ですが、一方で、猫の性格からベッドの形状が合わない、といったケースもあります。
もしベッドの買い替えを検討している場合は、性格に合った猫ベッドの見つけ方も記事にしていますので参考にしてくださいね。
2. 洗濯するときの注意事項
「におい」は、猫にベッドを使わせるためのキーワードになるというお話をしました。
記事の前半に洗濯によってにおいを取る方法について解説しましたが、洗濯する際に注意して欲しいことがあります。
様々な効果のある洗剤が市場にあふれていますよね。
ペットのベッドや敷物を洗う場合は、人の洗濯物とは分けて洗濯する飼い主さんがほとんどだと思います。
猫ベッドのお手入れにも良い香りの洗剤を使う飼い主さんもいますが、猫のベッドなど、ペットベッドのお手入れには、ニオイの残りの少ない洗剤をおすすめします。
特に柔軟剤については、濃密な香りを持つ製品もありますので、使用する際は注意してくださいね。
洗濯したて、ふかふか、さらっとした生地のクッションやベッドは猫が好む条件ですが、香りはなるべく残らない微香性のものを。
人工的なにおいを苦手にする神経質な猫もいます。
ちなみに、我が家では、猫のクッションは手洗い、無香料石鹸です。
柔軟剤は使用しませんが、猫は全く気にしてないようです。猫にとっては十分ふかふかなのかも。
前章で触れたメイドインアースの石鹸はまあまあ気に入っています。
これでなければいけないということもありませんが、興味があれば、お試し用のミニボトルもあるようです。
猫に響かなかった。。過去に試した猫ベッドを使わせる方法
ついでに、我が家の猫に効果がなかったやり方もありましたので、2つ挙げておきます。
・カリカリをベッドの上に乗せる。
ベッドの縁や上で食べますが、定住することはありませんでした。汚れるだけです。苦笑。
・臭いの付いたおもちゃを猫のベッドに置いて誘う。
遊びたいときに遊ぶのがおもちゃなので、使わせたいベッドと紐づけしても意味はないのかも。
においが付いた先代猫のベッドは使わないので、新しいベッドを購入するたびに我が家でも「トライ&エラー」を繰り返してきました。是非、ここに記載した解決方法を試してくださいね。
3. ペットベッドの効果は想像以上
猫ベッドは、猫がリラックスし、休憩できる場所として置く飼い主さんがほとんど。
ですが、猫ベッドを利用するメリットは、猫だけではなく、飼い主にもあるんです。
猫が休憩するクッションやベッドのカバーには、綿やポリエステル化繊などの生地が使用されていますよね。
猫がベッドで休憩すると、日々代謝によって抜け代わる死毛が繊維の間に付着するため、実は、猫のベッドやクッションは死毛(抜け毛)の集積所に。笑。
猫ベッドが全ての抜け毛のたまり場になるわけではありませんが、死毛はベッドを使用しなくても発生しますので、猫がベッドで休んでもらうことで、部屋の抜け毛の散らかりを一定数コントロールすることにも繋がっていると言えるのです。
抜け毛や抜け毛にこびりついたフケは、ペットアレルギーの原因の一つと言われるアレルゲン物質をキャッチしてくれます。
猫が休憩するベッドやクッションを清潔に保つことは、ペットアレルギーの発症リスクを抑制し、お掃除もしやすいお部屋に。
4. まとめ
猫ベッドは簡単に使わない、直ぐに気に入ってくれる猫の方が稀です。
猫のためにと折角購入したベッドも使ってもらえなければ、持ち腐れ。なんとか猫にベッドを使わせようと悩む飼い主さんが大勢いることも事実です。
猫を室内飼いしたら1年を通して抜け毛に悩まされるだけではなく、年に2回の換毛期も経験しなければなりません。
猫だけでなく、飼い主のメリットもある猫のベッドやクッション。すでに持っているなら、是非利用しましょう。